インドネシアの保健センターで行われている、高齢者への取り組み

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インドネシア・ロンボク島へようこそ!

インドネシアは東南アジアの国で、国土の大半が南半球に位置し、その一部は赤道を挟んで北半球にも渡っています。

 

 

国内は34の州にわかれており、それぞれ複数の県を抱えています。

 

 

ロンボク島は、西ヌサテンガラ州という州に属し、インドネシアという国名よりも有名では?と思うほど日本人に人気の観光地・バリ島の東隣に位置しています。

 

 

バリ島にはまだまだ及びませんが、ロンボク島も観光地化が進みつつあり、第二のバリと呼ばれています。 特にバリ島に近い島の西側の、スンギギビーチやギリ三島は海が美しく、欧米諸国を始め世界各地から観光客が訪れています。

 

 

しかし、一歩観光地を離れると、生活用水は井戸水を使用、スーパーはなく食料品は市場で購入、馬車が交通手段の一つとして日常的に使用されている等、素朴な地域が広がっています。

さて、インドネシアは、1万を超える島を抱えており、国土は世界14位、人口は世界4位の大国です。

 

 

それだけに、島や地域が異なると、平均寿命や高齢化率も大きく異なります。

 

 

例えば 、インドネシアの平均寿命は72歳(2015年)ですが、ロンボク島の中央に位置する中部ロンボク県の平均寿命は64.4歳(2014年)。

 

 

また、インドネシアでは65歳以上の高齢者が全体の5.2%に対し、中部ロンボク県の60歳以上の高齢者は6.5%(2015年)。そもそもインドネシアでは高齢者の年齢の定義が曖昧で、55歳から高齢者とする、という見方もあります。

 

 

このように、ロンボク島では発展も、高齢化も、まだまだこれから…といったところです。

 

 

しかし、人口の多いインドネシアで高齢化が進むと、一見高齢者の割合は低くても、高齢者の人口そのものは非常に多くなると予想されます。

インドネシアでは、各県毎に保健局を設置しており、保健局は県内各地域に設置している『プスケスマス』と呼ばれる医療・保健の拠点となる保健センターを設置しており、母子保健や感染症対策等、様々な取り組みが行われています。

 

 

高齢者関係では、保健局には高齢者課があり数名のスタッフが勤務、保健センターには各1名ずつ高齢者関係のスタッフを配置しており、高齢者の健康増進・疾病予防に努めています。

 

 

とはいえ、インドネシアの保健センターにおけるプログラムのうち、高齢者保健は義務プログラムには含まれておらず、推奨・努力義務となっています。そのため、母子保健や感染症対策と比べるとまだまだ優先順位が低いのが現状です。

 

 

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柳澤沙也子

岡山県美作市出身。2009年 国立大学法人 岡山大学医学部保健学科看護学専攻卒業。

岡山市の有料老人ホーム・大阪市の病院等計6年間の勤務を経て、2015年10月より2年間、インドネシア・ロンボク島にて青年海外協力隊 看護師隊員として活動中。

インドネシアの保健センターで行われている、高齢者への取り組み

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