今月9日、畿央大学ニューロリハビリテーションセンターの「PRESS RELEASE」に"経頭蓋直流電流刺激による社会的認知機能の向上"が掲載された。
畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの信迫悟志らは,経頭蓋直流電気刺激(transcranial Direct Current Stimulation:以下,tDCS)を用いて,右頭頂-側頭接合部および右下前頭皮質の神経活動を促進すると,自他区別や視点取得といった社会的認知機能が向上することを明らかにしました.
詳細はこちら>>http://www.kio.ac.jp/
発達障害の一つで、社会性や対人コミュニケーションに困難さがある自閉症スペクトラム障害(以下、ASD)。全米では、68人の子供のうち約1人がASDであることが確認されている。
▶︎https://www.cdc.gov/ncbddd/autism/data.html
自他区別ができないことで、他人の感情と自分の感情をはっきり区別することができなくなったり、視点取得が困難なことで他者の感情や意図に関する理解が難しくなる。
今回の報告では、電極を用いて頭皮の上から軽い直流電流を流して脳の部位を刺激する「経頭蓋直流電気刺激」によって、自他区別や視点取得といった社会的認知機能が向上することが発表された。
また、この研究の共著者である、畿央大学大学院健康科学研究科 主任・教授の森岡 周先生はこの研究に関して次のように述べている。
↓社会・発達脳関係。自己から見た視点だけでなく他者からはどのように見えているかといった視点取得といった能力は社会性だけでなく身体性にも通じるテーマ。自他区別のメカニズムを理解することは発達のみならず高次機能障害者に対する運動学習プログラムを提供する上で大切なテーマになるでしょう。
— 森岡 周 (@ShuMorioka) 2017年5月9日
ピアジェの3つの山課題、臨床実習でつまずきかけた学生によく問いかけるテーマ。自分視点ではなく指導者・患者からはどのように世界が見えているかを知ろうとする能力は、共感すること(できないことは多いわけで)よりも、むしろ社会を生きる上で大事な能力です。
— 森岡 周 (@ShuMorioka) 2017年5月9日
人は少なからず社会の中で他者と共存しながら生きている。障害によってうまく社会に適応できず頭を抱えている方に対する運動プログラムの大きな助けになるのではないか。
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