変形性膝関節症は、現在では運動療法、薬物療法を始め、物理療法、手術療法と様々な治療方法がある。
今回アメリカの政府機関である医療品質研究機構(AHRQ)が、変形性膝関節症の治療の効果として報告されているデータを調査した。
調査の結果は、「高いレベルの証拠によって支持される結論はなかった」というものでした。以下の効果または害について中等度の質の証拠が見つかりました。
- 経費的電気刺激(TENS)が短期的に痛みを改善する(中等度の質の証拠)
- 体重減少が中期的に痛みを改善する(中等度の質の証拠)
- 長期的なグルコサミンとコンドロイチン併用は痛みまたは機能に効果がなく、グルコサミンまたはコンドロイチン硫酸塩単独でも痛みに効果がない(中等度の質の証拠)
- どの治療にも、深刻な害として一貫して報告されているものはない
(引用:MEDLEY)
変形性膝関節症の治療としては、決定的な方法がないのが現状である。今回TENSや体重減少は疼痛に対し、証拠の質は中等度と判定された。
逆を言えばその他の治療法、普段我々が行なっている運動療法などの根拠は低いと判定されたということである。
しかし、どんな治療も臨床では効果が出ている事実もある。
まずは行なった治療に対して疫学に基づき評価を行い、効果判定を行った上で必要な治療を提供していくことが重要である。