骨髄内の脂肪細胞の増殖は、骨折の要因となってしまう。
今回の研究では、その脂肪細胞を運動でも減らせるといった貴重な研究結果だ。
■研究を実施した米ノースカロライナ大学のMaya Styner氏らによると、痩身マウスと肥満マウスではともに、ランニングなどの運動をさせると骨髄内の脂肪細胞の大きさが縮小した。さらに、肥満マウスでは、骨髄内の脂肪細胞の数が有意に減少したという。
■「(前略) こうした研究は最終的には、糖尿病や関節炎、拒食症、長期ステロイド投与が必要な患者などにおいて、骨の健康を維持・改善する方法の発見につながる可能性がある」
引用元(詳細を読む):ケアネット
痩身マウスと肥満マウスを各14匹、6週間運動させた後、骨髄内の脂肪細胞を検査した。
結果として脂肪細胞サイズの減少、また肥満マウスに関しては、脂肪細胞数が半数以下に減少したとの報告であった。
肥満者、高齢者、ステロイドの長期投与者などは、骨を作るはずの骨芽細胞が脂肪細胞になってしまい骨折の可能性が増加してしまう。
特に、高齢者の加齢による骨量の減少と強い関わりが報告されている。
現在、骨量の減少に伴う骨粗鬆症患者は、50代以上の女性の3人に1人と非常に多い。
骨粗鬆症は中々改善しにくく、投薬は永遠に続いてしまうことも多い。
また、骨折により入院、介護となる可能性が高い印象も強く受ける。骨粗鬆症が原因で大腿骨頸部骨折、椎体骨折となった患者らの医療・介護費用は7,974~9,895億円とも言われている。
参考:Minds
高齢化に伴いこれらの問題は、多くなってくると予想される。運動を専門としている我々は、しっかりと理解しておくべき内容かもしれない。