手指運動は、3種類の筋シナジーで構成されているとサルを用いた実験で解明
手指の運動は、とても複雑で一見パターン化などされていないように思える。
今回の研究でサルなどの霊長類は、筋シナジーと呼ばれる共同作用でその運動が構成されていると報告された。
■今回私たちはこの「筋シナジー」に注目し、「霊長類の脳神経は、筋シナジーの原理にもとづいて、膨大な数の筋肉や関節を制御している」という仮説を立てサルの脊髄から神経活動の記録をとり検証しました。
■まず、筋電図の解析からサルの手の運動は3種類の筋シナジーによって作られていることが分かりました。次に、脊髄神経もこの3種類の筋の組み合わせと活動パタンを表現していることが初めて明らかになりました。
引用元(詳細を読む):日本の研究.com
筋シナジーとは、作用が似ているいくつかの筋活動が調整、統合されているパターンがあるといった考え方。ロボット分野で、よく使用されている。
そして運動は、単一の筋シナジーの入力ではなく、複数の筋シナジーを組み合わせて実現されている。
多指ロボットハンドにシナジーの入力、組み合わせをすることにより、本棚から本を取り出すような複雑な運動も可能になるそうだ。
この筋シナジーが、霊長類にも存在していると解明された。
今後は、今回の研究によって脳卒中などの運動失調に対し、筋シナジーを計測し評価できる。また、それを治療に生かして行くような、全く新しいリハビリテーション法が開発される事を期待しているとの事。
単独の筋力測定などで考察できる時代は、終わりつつあるのかも知れない。
今後、どの様な展開をして行くのか、非常に興味深い研究である。
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