患者の姿勢評価ができることは理学療法士にとって大きなアドバンテージだといえる。
臨床場面において患者の身体機能を評価して「シーティング」を行うことは日常的にリハビリテーションの一部として行なってきたのではないだろうか。
今回、厚生労働省はリハビリテーションスタッフが患者の身体機能を評価し、適切な姿勢で座位を保つことや、褥瘡予防を行う「シーティング」で「疾患別リハビリテーション料」を算定できることを明らかにした。
疾患別リハビリテーション料の算定対象になるのは、患者が車いす上で適切な姿勢を保持できず、食事摂取などの日常生活動作(ADL)の能力が低下するようなケース。適切な姿勢を保てるようにしたり褥瘡を予防したりするために、リハスタッフが患者の体幹機能などを評価した上で、例えば必要なクッションを選んだ場合に診療報酬を算定できる。
詳細を読む(引用元):疑義解釈資料の送付について
リハビリテーションにおいて患者の離床は大きな意味を持つ。しかし身体機能の低下や褥瘡などにより座位保持が困難となっている患者も少なくないのが現状である。
そのような患者に対して、体圧分散やサポートとしてのクッションや付属品による調整を行う「シーティング」に対して診療報酬が算定できることの意味は大きい。
積極的に「シーティング」を実施していくことで、患者の身体機能の向上、二次的障害の予防、褥瘡の改善、または食事が可能となることで栄養状態も改善するなど様々な効果が期待できる。
しかし単なる離床目的で車椅子座位を取らせるような場合は、これに該当しないとのことなので注意が必要である。
しっかりと身体評価をした上で必要な「シーティング」を行なっていただきたい。