金沢大学のの河﨑洋志教授、新明洋平准教授らの研究グループは今まで解析が困難だった脳回(大脳皮質の表面に見られるシワ)ができる仕組みの一端を明らかにしたと発表した。
同研究成果は、米国の科学誌「Cell Reports」のオンライン版に掲載されている。
研究グループは、まずCRISPR/Cas9 という最先端のゲノム編集技術と,本研究グループがこれまで開発してきたフェレット大脳皮質への遺伝子導入技術とを組み合わせることにより,フェレット大脳皮質において任意の遺伝子を破壊することに成功した。
次にCdk5 遺伝子を破壊すると脳回が異常になることを発見。その結果,大脳皮質の表面側の神経細胞が脳回を作るために重要であることを発見した 。
Photo:https://www.kanazawa-u.ac.jp/
昔どこからか聞いた「脳のシワがあるほど賢くなる」という都市伝説的な話ではないが、脳回に異常が見られる疾患があるが脳の機能に重要な役割を持つことは明らかだ。
今回の研究はマウスを用いた研究であり、今後はさまざまな疾患の病態の究明に発展することが期待される。