今夜、世界の医療を旅する男・山本啓太が、キルギスの障害者たちに出会う!
KEITAのメディカルジャーニー!
@遊牧民の家 in ソンクル湖
※この設定はTBSクレイジージャーニーのパロディーです
MC:はい、今夜もメディカルジャーニー始まりました。今回は、前回のキルギス取材の続編です。
世界の医療を旅する男・山本啓太。
前回の山本は、キルギスの医療の変化について報告した。
そして今回、キルギスの障害者たちを取り巻く状況を知る。
今夜、山本啓太が療法士たちの知らない医療の世界へとお連れします!
MC:今回は、キルギスの車椅子使用者たちと出会ったということですが、どういった経緯でこのような取材を?
山本:カラコルという田舎町のカフェに入った際にあるものを発見したんです。それがとても不思議に思い、店主に聞いてみたんです。それがきっかけで様々な出会いに繋がりまして・・・。
MC:一体なにを発見したのでしょうか。詳しくはVTRにまとめていますのでどうぞ。
カラコルのカフェでの発見
~カフェで食事中~
山本:サンドイッチ美味しかったですね。ところでこのカフェ、スロープが設置されてますね。なんでなんだろう?
ディレクター(D):普通じゃないですか。なぜ不思議がるのですか?
山本:この前、OTさんから聞いたのですが、キルギスでは障害をもつ人のほとんどが家や施設から出られないそうです。首都ビジュケクに2週間ほど滞在しましたが、驚くことに車椅子使用者は一人も見かけませんでした。
D:そうなんですか?全然気付きませんでした。
山本:店主、このスロープは何の目的で設置しているのですか?
店主:車椅子使用者たちのためにですよ。
山本:やっぱりそうなんですね。でもこの国に来てから首都ビシュケクでさえ車椅子使用者は一人も見ていませんが?
店主:そうですね、ほどんど見かけません。だからこそ私たちは設置しているのです。ちょうど明日、車椅子使用者とその家族たちの交流会がこのカフェであります。もし良ければ参加しませんか?
山本:ぜひ!
キルギスの障害者を取り巻く状況
~翌日~
山本:こんにちは、早速いくつか質問させてください。キルギスでは障害をもつ人たちは家から出られないと聞きました。それはなぜですか?
車椅子の少女の母(母):一番の要因は利便性です。キルギスの道路は繁華街を除き、ほとんどがガタガタで車椅子では移動ができません。公共交通機関は小型の乗合バスなので車椅子では乗車困難です。だからと言って日本のように介護タクシーなどもありません。
山本:確かにこの街の場合、道路はほとんど舗装されていないですもんね。しかし、比較的舗装されている首都ビシュケクでも同様の状況でした。それはなぜですか?
母:それは今でも障害=恥と考えている人たちがいるからです。
山本:日本も昔はそうだったと聞きます。キルギスは元々遊牧民だったことから、障害の有無をあまり気にしない国民性だと思っていたのですが?
母:それは旧ソ連の影響で変わったと言われています。キルギスは1924年に旧ソ連の支配下なり、1991年に独立した国です。旧ソ連は1980年にモスクワ五輪を開催した際に「ソ連に障害者はいない」とパラリンピックの開催を拒否した国です。このことからもわかるように、障害者に対してかなり偏った考えを持っていた国です。その影響が今でも残っているようです。
車椅子の少女の生活
山本:娘さんは学校には通われているのですか?
母:私立小学校に通ってます。しかし、公立校には断られました。「ここでは歩けない彼女をみることができない」と
山本:私立だったら学費も高額だと思います。国からの援助はあるのでしょうか?
母:16歳まで毎月3000ソム(約4500円)の援助が受けられます。16歳以降も2000~3000ソム(約3000~4500円)の援助が続きます。ちなみに学費は毎月1000ソム(約1500円)です。
山本:校内の階段移動などはどうしているのですか?
母:私か親戚が毎日、朝と夕方に介助しに行っています。今はまだ体が小さいのでそれほど負担ではありませんが、大きくなった時を考えると非常に不安です・・・。
変わりゆく障害者たちの生活
山本:キルギスの障害者たちの生活は変わりつつあるのでしょうか?
母:少しずつですが変わってきているように思います。最近では理髪店や銀行にスロープが設置され始めました。今までのキルギスでは考えられないことです。
山本:このカフェも皆さんの憩いの場になっていますもんね。他にはどのような変化がありますか?
母:カラコルで働く日本人ボランティアを中心に、障害のある子どもたちの作った製品を販売する活動が始まったそうです。最初は「そんなもの売れるわけない!」と反対もする人も多かったそうですが、最近になり店頭に並ぶようになったと聞きます。
山本:いち早く彼女たちがより快適に暮らせる社会になることを願っています。今日はありがとうございました。
山本啓太の世界の医療を巡る旅はこれからも続く!
【目次】