慢性痛の理学療法をオーストラリアで学ぼう

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日本の療法士が世界で必要とされるために

とにかく、海外に行くことです。

 

世界史や文化を勉強するのもいいですが、直接いって、その肌で風を感じる体験こそ身になります。また、海外への挑戦に興味がなかったとしても年に一度は無理をしてでも、海外旅行には行くべきです。今ではLCCやAirbnbを駆使すればかなり安く行けます。

 

海外に行けば、短期間でたくさんの壁にぶち当たります。日本で普通に暮らしていれば感じない壁が、海外に行くと直接感じることができます。言葉の壁、文化の壁、人の壁、お金の壁。様々な壁にぶち当たり、それを一つずつ乗り越えるからこそ、人は成長するのだと思います。

 

また、その壁を非常に安価でたやすく手に入れることができるのが、海外へ行くことなのだと思います。

 

第2回オーストラリアスタディーツアーのお知らせ

日時:12月10〜16日(ホテル6泊)
参加費:35〜40万円
募集人数:6名

オーストラリアでは、疼痛や機能障害を抱えた患者さんのファーストチョイスは、病院ではなく理学療法士が開業しているクリニックの場合が多いです。

そんなクリニックで理学療法士がどんなことをしているのか気になりませんか?

今回は、オーストラリアのパースで理学療法士として働く江戸先生中心にご案内していただきます。

観光も充実していますので、ぜひご応募ください。

定員に達し次第、締め切らせていただきます。

お問い合わせ先:http://kenji7.main.jp/(担当:岩田)

旅行会社名:名鉄観光サービス株式会社 名古屋伏見支店 担当:嶋田

 

江戸英明先生より

去年に引き続き、今年も西オーストラリア州はパースでスタディーツアーを開催させて頂くことになりました。

 

ツアーの内容としては、パースにあります、サー・チャールズ・ガードナー病院での見学、私が務めるダイレクトアクセスシステム(開業権)に基づいた筋骨格系疾患を対象とするクリニック見学、そして私が筋骨格系專門修士で学んだ徒手療法や近年の動向に沿った痛みのマネジメントなどを、実際に病院やクリニックで行われている様子などを通じて学習・体験していただければと思っています。

 

オーストラリア理学療法の臨床・教育現場では、ジェフ・メイトランド(理学療法士)が考案した徒手療法が、筋骨格系の治療・マネジメントとして主に活用されてきました。

 

メイトランドの概念は、今でもオーストラリアの大学教育を受けると、授業の中で基礎知識・技術として取り入れられていますが、近年のエビデンスが蓄積されていくに従い、徒手療法だけで治療・マネジメントを行うというスタイルから徐々に変化が起きています。

 

それらの一例として、ペインマネジメントや、最近ではよく耳にするようになってきたイエローフラッグや中枢感作・末梢感作などの概念が広く認識されてきていることだと思われます。

 

これらは、生物医学的な考え方(Biomedical Model)だけではなく、全人的なアプローチとして患者の心理社会的側面 (Biopsychosocial Model)を考慮することの重要性を示しています。

 

私が通っているカーティン大学筋骨格系專門修士では、それらの社会心理的側面を学ぶことはもちろん、従来の徒手療法として 、関節モビライゼーションやマニピュレーションなどの技術の取得にも、多くの時間が割り当てられています。

 

みなさんの中でも、IFOMPT (The International Federation of Orthopaedic Manipulative Physical Therapists)という名前を聞いたことがある人がいらっしゃるかと思います。

 

1973年にイギリス、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、カナダ、ノルウェー、デンマーク、スウェーデン、フィンランド、ドイツ、南アフリカ、オランダなどの世界中から、徒手療法に関与する理学療法士が集まり、その教育・発展に努めていこうといった思想からできた団体ですが、私が通っているカーティン大学の筋骨格系専門修士を卒業すると、そのメンバーになる資格が与えられます。

 

また、カーティン大学の筋骨格系専門修士の歴史は古く、The Master of Manipulative Therapy と呼ばれていたこのコース(今年からエビデンスや近年の筋骨格系理学療法のマネジメントに対する変化などを考慮し、The Master of Physiotherapy Musculoskeletal Majorと名前が変わりました) は、1974年当時、世界で初めての徒手療法を学ぶことができる專門修士として設立されました。

 

そのような伝統あるカーティン大学での授業はやはり素晴らしいものが多く、機能的な評価はもちろんのこと、近年重要視されてきているPsychosocial factors(心理社会的要因)をどのようにして評価するのか、そしてそれらに対するマネジメントはどのようなものがあるのか、ペインマネジメントとして実際に患者教育をどのように行うのかなどが教えられています。

 

また、院生には、慢性腰痛の治療・マネジメントで有名なプロフェッサー Peter O’Sullivan先生からも直々に、 彼の臨床思考過程や慢性腰痛に対する評価・ 治療を教わります。今回のスタディーツアーでは、その実践を、実際の患者さんにどのように応用しているのかを少しでも学んでいただければと思っております。

 

また、西オーストラリアで最も人気のあるワイナリーがある、マーガレットリバーへの観光や、パースの暑い夏にふさわしい美しいビーチ、雄大な自然が広がる国立公園の観光なども予定しております。

 

今後、オーストラリアの大学で学んでみたい方や、実際に海外ではどのような理学療法が行われているのか気になっているけどなかなか機会がなかった方は、是非この機会にご自分で体験してみてください。

 

少人数なので、参加者との距離も近まり、実際にオーストラリアで働くことなどの疑問があれば、気軽に伺っていただけるチャンスだと思います。

 

夏のオーストラリアで皆さんにお会いできるのを心から楽しみにしています。

 

 

 

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