アロマを活用した疲労回復のメカニズム

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アロマの最大の効果は“嗅覚刺激”を利用したアプローチです。嗅覚を刺激する事で、大脳辺縁系、視床下部等に直接働きかけることができます。
そのため、認知症や自律神経失調症の方に有効な介入が期待されています。
しかし、「高負荷運動」などの運動後の疲労回復にアロマが効果的である事が示唆されました。なぜ、アロマが疲労回復にいいか?。
そのキーワードは“嗅覚”です。

アロマは認知症や浮腫の方に効果的な介入が期待されていますが、運動療法や疲労回復にも活用できることをご存知でしょうか?

「長時間にわたる運動」「高強度負荷の運動」を行なった際に、アロマの香りが運動後の疲労回復に有効であることが示唆されました。

 

運動療法を指導する際に、慢性的な疲労の蓄積によってコンディショニング低下やパフォーマンス中の怪我が引き起こされることがあります。

そのため、一般的な疲労回復には運動後に交代浴を行なったり、食事・睡眠などの生活習慣を見直すことで疲労改善に努めたりすることが多いです。

しかしアロマを用いることで、より簡単に疲労回復を促すことが出来ます。実際に国内外のアスリートにも、試合の前後にアロマを使用されている方が多くいらっしゃいます。

それではアロマを運動療法や筋力トレーニングに活用することで、どのような効果が期待されるのでしょうか。

 

文献情報:「アロマと疲労回復に関して」

アロマを駆使して効果的なトレーニングや競技力の向上を計ることを目的とした、高強度運動における疲労回復の度合いについて研究が行われた。

方法:健康な大学生男女を対象に、エアロバイクによるインターバル形式の運動を実施。運動前後にアロマの香りを吸入(アロマ群)。

アロマが身体内にどのように作用しているか、運動前後に脳波と採血にて血液成分の変化を観察した。

 

結果:

①アロマ群と非アロマ群では、運動量(仕事量)への有意差はみられなかった。

②非アロマ群の脳波では、運動後のβ波が大きく上昇(一般的にβ派は興奮や疲労感が強い場合に出現)

③アロマ群ではセロトニン・副腎皮質刺激ホルモン・ノルアドレリンの分泌の低下がみられた。

④採血では非アロマ群の方が高い乳酸値を記録。

 

まとめ:

運動前後にアロマを用いることで、体内における運動のストレス値を表す「副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)」「ノルアドレナリン」「成長ホルモン」の分泌が優位に抑制された。

このことは、運動時のエネルギー代謝や骨格筋に対するストレス反応の軽減を意味する結果であった。また、非アロマ群のセロトニンの分泌量は運動前後を比較すると有意に上昇した。セロトニンは脳疲労を示す成分であり、アロマを用いることで運動時の脳疲労もアロマを用いることで軽減することが示唆された。

 

ACTHはコルチゾールの分泌促進を行う作用があり、そのコルチゾールは血糖上昇やアミノ酸・脂肪酸の取り込み促進などさまざまな効果が期待されています。

 

しかし、高負荷の運動を行うとACTHは有意に増加し、身体に対して強いストレス反応として負の作用をもたらすことがあります。 アロマの効果でセロトニンやACTHの上昇を抑えることができれば、運動によってこれらの疲労が増しても脳機能や生体機能を安定化させることが可能です。つまりアロマの活用により、良好なパフォーマンスの維持や疲労蓄積の抑制が期待できると言えます。

(引用文献:矢野琢也(2007).アロマによる嗅覚刺激を応用した高強度運動能力の向上とその効果)

アロマの最大の魅力を一言で表すと、“嗅覚刺激”を利用したアプローチです。

嗅覚は、海馬・扁桃体・視床下部を含む大脳辺縁系と直接的な繋がりを持っています。大脳辺縁系は密接な多シナプス結合を有した多数の脳内ネットワークで繋がっており、嗅覚からの刺激は本能的行動・情動・快楽等の感情や記憶・自律神経系に何らかの効果をもたらすと期待されています。実際に、認知症患者の精神的安定をもたらす効果なども多数報告されています。

 

アロマは認知症や浮腫(むくみ)へ効果的な介入ができますが、負荷の高い運動に対しても心身的ストレスを軽減する効果が期待できます。

運動療法や疲労回復にも活用できることは、現場でのアロマの活用法が拡がったと言えるでしょう。皆さんも、現場で活用できるアロマを技術と知識を学んでみませんか?

 


 

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