伊藤ケンタロウ-Photographerとして生きる元PT -第2回-

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PTの知識は写真の世界でも生きている

POSTインタビュアー田川(以下;田川):写真家に転向しようと思ったきっかけはなんだったのですか?

Photographer伊藤(以下;伊藤):元々、高校生の頃にビデオカメラやコンパクトカメラで撮影した映像や写真をMacで編集して、音楽を乗せて、人前で公開することを楽しんでいました。 専門学校入学と同時にフィルムカメラを独学で勉強し、本格的に学び始めました。その後デジタル一眼レフカメラに移行し、専門学校在学中は、友達と一緒に写真部を作りました。PTとして働いた4年間はとても楽しかったけど、写真をやっていくうちに、その楽しいの比率がPTを越えてきました。 でも一番は、後から後悔をしたくなかったからですね。 自分が40歳、50歳になった時に、あの時行動しとけばよかったって思いたくなかったから、挑戦してみようと思いました。

田川:PTと写真家で通じるところを教えてください。

伊藤:写真を撮っていて、PTをやっていたからこそ気づける部分は多々あると思いますね。 例えば、歩き方やポージングはもちろんですけど、体のアライメントなどは人物を撮っている時に目に付きます。  また、写真となると顔や体全体に目が行ってしまいがちですが、本当は体の一部分など美しい場面は沢山あります。そういった場面でPTの運動学や解剖学などの知識が、写真の世界で生きています。

田川:医療現場で写真撮ったりはするんですか?

伊藤:今も医療施設からの撮影依頼などを受けて撮影をしています。PTとしての経験があるからこそ、医療現場という特殊な空間を切り取って表現出来ると思います。あとは、個人の事務所と、写真や映像関係の会社に在籍しており、医療施設の撮影や個人、ウエディングなどの撮影依頼を受けています。

田川:今後の展望をお聞かせください

伊藤:例えば、医療の現場でも写真を撮れる人がたくさん増えればいいと思っています。なので写真撮影のワークショップなどを医療の現場でも開催していきたいと思っています。 医療現場の皆様が思う通りに簡単に写真を撮ることができ、タイムリーに情報を発信できるようになれば、それが患者さんの為にもなり社会貢献にもなると思います。

田川:最後に、学生に一言お願いします。

伊藤:勉強は大変だと思うけど、勉強以外に熱中できる何かを見つけることは、今後の人生の中でも必ず生きてくるので、そういったものを見つけて欲しいですね。 とにかく、楽しそうと思うことを片っ端からやってみたらいいと思います。 僕も最初から写真が好きだったという訳ではなく、色々やってみてここまで熱中できるものが写真だったというだけ。 だから、特に学生のうちは色んなことに興味を持って行動して欲しいです。 理学療法士の免許を取ることをゴールと思わないで欲しいですね。理学療法士の免許は人生を楽しむための『1つのツール』ぐらいの気持ちで、皆さん一人一人違う、たった一度の色々な人生を楽しんで欲しいです。




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伊藤ケンタロウさんの作品

伊藤ケンタロウ経歴

プロフィール 伊藤ケンタロウ代表/Photographer

1988年 熊本県出身 高校卒業後に本格的に写真を学び始める。この時期はフィルムカメラ一本。しかし2011年の東北大震災を機に、環境や資源について考えるようになりデジタル機材に完全移行。その後は理学療法士として勤務しながら、ファッションや企業広報など様々な分野で活動。近年では企業やカメラ初心者に向けた写真教室 の講師としても講演中。単身でロンドン、ドイツ、フランスのスタジオ・カレッジへ写真留学し、個展も定期的に開催するなど、作品製作においても精力的に活 動している。

事務所HP:http://www.ito-photography-office.com/
Facebookページ:https://www.facebook.com/kentaro.ito.967?ref=br_rs

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写真:写真論たのしい写真―よい子のための写真教室

写真集:Stephen Shore: Uncommon Places: The Complete Works



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