まだまだ簿記の重要性が理解されていない中、引き続き張り切って第三回目の記事を書いていきたいと思います。これまで、個人事業主から株式会社運営まで、行ってきた身としてよく友達と食事に行くと言われる言葉
「経費にしないの?」
その度に、「このヤロー」と思うこともありますが、なかなか会社と自分のお金の管理を経験しないとわからないことかもしれません。経費と対比で見られる費用に関して明確な違いがありますので、まずはその説明から、経費の仕訳方法についてお話をしてみようと思います。
それは会社の資産です
簿記武夫
こんにちは。この連載の人気がないとのこと、残念です。私のキャラが鼻につくのでしょうか?
イマイ〜
多少…。まぁその話は置いておいて、本日は経費についてお聞かせください。
簿記武夫
経費ですね。そもそも、経費とはなんだと思いますか?
イマイ〜
会社の事業にとって必要な出費。と言う理解です。
簿記武夫
そうですね。つまり経費とは“会社の資産”と言うことになります。例えばお友達とご飯に行って、お金を払ったとします。これは、経費には入りません。
イマイ〜
たまに友達から「経費で奢ってよ」と、腹の立つことを言われます。
簿記武夫
それは、経費と費用の違いを理解していないから起こるのでしょうね。私にも奢ってください。
イマイ〜
武夫さんに奢ると言うことは、この連載のための食事会ということで、経費になるのでしょうか?
簿記武夫
その判断は、会社に委ねられます。金額によって、会議費や交際費に分けることがありますが、この点はおいおい話しましょう。まずは、今回“私に奢る”という点において、そもそも経費なのか費用なのかということですが、この時の食事が会社にとって何かメリットのあることならば経費として認められる可能性は高いです。
イマイ〜
なるほど。会社にとってのメリットと言っても、範囲が広いですよね?
簿記武夫
そうですね。これは“成果”とは何か?という点が重要になります。成果とは会社にとって利益のあることですね。
イマイ〜
なるほど。では、今回武夫さんに奢ることで、この連載の費用を払わなくてもいい、ということですね。ありがとうございます。これなら会社の利益になります。ありがとうございます。
簿記武夫
いやいやいや…。考え方はあっていますが、ちなみに今日は結婚記念日で、家に帰らなければいけないのでした。 それでは話を変えましょう。PTOTSTの皆さんが身近でかつ気が付いていない経費についてお話ししましょうか。
イマイ〜
はい。お願いします。
簿記武夫
経費の中に、“消耗品”という項目がありますよね?あれは何を指していると思いますか?
イマイ〜
んートイレットペーパーとかティッシュとか、コピー用紙とか。やたら紙になってしまいました。
簿記武夫
いや、間違ってないですよ。その全て、消耗品です。つまり、事業を行う上で必要なものだけど、どんどん消費してしまうものですね。この辺り、病院で各科ごとに分けているかどうかはわかりませんが、今あなたが使ったトイレットペーパーも消耗品で、元は会社の資産です。そして、それを使用すると費用になります。
イマイ〜
その視点って、簿記のような知識があったり、実際に運営していないと気がつかないものですよね。トイレの電気をつけっぱなしにしたり、やたらとトイレッチペーパーを使ったり。
簿記武夫
そうなんですよ。この連載でお伝えしたいことは、何も簿記を理解して、書けるようになりなさい。と言っているわけではないのです。自分が働く上で、どんなお金がかかっているのか、そしてそれは病院などを運営する上で必要な資産であるということ、そしてそれによって、働く人、病院にとって利益になることだと理解して欲しいのです。
イマイ〜
確かに。トイレットペーパーとか経費で買いたくないので、コンビニ行って用を済ませたりしますもんね。缶コーヒーくらいは買いますが。
簿記武夫
その利用方法はさておき、そういうことを知っているか知っていないかというのは、働く上で大きな違いになるわけです。自分が管理者になる前の消耗品として、トイレットペーパーを年間100個しようしていたとして、あなたが管理者になった時に50個になったとします。年間で50個もしようを減らしたので、その分は利益になります。
イマイ〜
そうですよね。病院で収益を上げるとなった時に、保険診療の数を増やすことに目がいきがちですが、これまで無駄に消費をしていたものを、減らすことも立派な利益貢献ですね。
簿記武夫
そうなんです。それに気づいてもらうために、簿記つまり貸借対照表や損益計算書が読める必要があるのです。
イマイ〜
めちゃくちゃ深い連載ですねコレ。
簿記武夫
そうなんですよ!だから、ご飯で相殺しようなんてしないでください。
イマイ〜
失礼しました。でも、今回の内容は、最初にすべきだったかもしれないですね。笑
簿記武夫
はい。コレまでの反響から、「なぜ簿記を学ばなければいけないのか」が理解されていないと思ったので、今回はちゃんと説明してみました。
イマイ〜
コレは“明日からすぐに結果の出せる方法”ですね。どっかで聞いたことのある言葉だな。
簿記武夫
そうです。何も利益を上げるのは、沢山の患者さんを見るだけではないのですよ。それに、経営のことは経営者だけが考えればいいのではないということを、肝に命じておいてください。
いかがでしたでしょうか?今回は、いつもと違い、「なぜ簿記を学ばなければいけないのか」ということを、改めてご理解いただくために書きました。
もちろん新規事業を行なって、病院の利益を上げることも重要でしょう。でもそのためには、まず小さなお金の管理ができなければなりません。
それは、あなたが管理者ではなくてもできることです。明日から、余分な経費を使っていないか?という視点で働いてみるのも、良い経験にるかと思います。
それでは次回も、お待ちしております。