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セラピストの卒後教育における「関節運動指導士」

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現在、理学療法士をはじめとするセラピストの卒後教育は、学会や研究会、民間企業等が提供するセミナー等によって行われています。日本理学療法士協会も認定や専門理学療法士制度の中で、卒後教育に注力し、来るべきセラピスト過多の時代に向けて競争力のあるセラピストを養成しています。スポーツ理学療法の分野では、IFSPT(国際スポーツ理学療法連盟)では、理学療法士をスポーツPTスペシャリストに要請するプログラムを作り、WCPT参加国に導入を呼びかけています。これら以外にも、様々な団体が「資格」を発行しています。

 

■ 関節運動指導士(Level 3-2:リアライン・セラピストとは)

私達が取り組む「関節運動指導士(Level 3-2)」 では、関節の変形や拘縮を防ぐ技術を習得した「関節疾患治療のエクスパート」の養成に取り組んでいます。なぜ、このような資格が必要となったのか、その背景を説明させていただきます。

 

運動器疾患(整形外科領域)に携わるセラピストであれば、少なからず「拘縮」と「マルアライメント」の治療に悩んだ経験があると思います。私自身、たくさんの症例において拘縮と格闘してきました。数十年前であれば、タオルを口に加えさせてひたすら他動運動を繰り返す乱暴な治療法も許容されたかもしれませんが、21世紀の治療法としてはあまりにも時代遅れと言わざるを得ません。しかしながら、拘縮の原因である癒着の治療の進歩は非常に遅く、拘縮治療はこの数十年、ほとんど進化してこなかったと言えるでしょう。

 

関節運動指導士(Level 3-2)を取得するには、治療の設計図であるリアライン・コンセプトを理解し、拘縮治療に必須の組織間リリースを習得していただくことになっています。設計図は、疾患からの回復過程の手順を明確に示し、他動運動の正常化を一つの通過点としています。つまり、他動運動の正常化を達成せずに、無理やり筋力を鍛えたり荷重運動を反復したりすることがないように、確実に治療が前進するための手順を示しています。その際に重要となるのが、他動運動を正常化するための癒着の治療ということになります。

 

関節周囲の癒着は皮下組織から関節包まで、あらゆる組織間に起こります。そして、一度癒着が起こると、運動療法ではほぼ解決することはできません。組織間リリースは、全ての組織間の癒着を触知した上で、各組織の正常な動きを回復させるために用いられる技術として進化してきました。確実に浅層から深層に向けてリリースを繰り返すと、関節包に癒着している筋や腱をリリースすることができ、股関節であれば関節包越しに大腿骨頭を360度触診できるようになります。

 

組織間リリースを習得すると、あらゆる関節拘縮に対して、癒着を同定し、それをリリースして滑走性を再獲得させることができるようになります。その結果、頑固な拘縮の可動域回復、骨盤や膝など各関節におこるマルアライメントの修正、そして筋機能を低下させている筋の癒着の解消、そして痛みや不快感を引き起こしている末梢神経の癒着などの治療を確実に進めることができるようになります。さらに、組織間リリースの習得は「精密触診」の習得を伴うことから、末梢神経のような小さな組織の触診や関節包と筋との癒着のような深部の問題の触診ができるようになります。精密触診の技術こそが、セラピストとしての治療能力を格段に進歩させてくれることになります。

 

 

■ カリキュラム

リアライン・セラピストを取得するには、以下のようなセミナーを受講していただく必要があります。

 

● 治療の設計図を学ぶ → 「クリニカルスポーツ理学療法(CSPT)」

全10回シリーズで全身の関節についての知識、診断学と評価学、リアライン・コンセプト(治療の設計図)の理解とその活用法を習得できます。

 

● 組織間リリースを学ぶ → 「組織間リリース(ISR)」

3日間(2ヶ月間)のコースで、徒手療法としての組織間リリースを習得します。初級編、初級編:産前・産後ケア、中級編などがあります。



● リアライン・デバイスを活用した運動療法を学ぶ → 「リアライン実技」

リアライン・デバイスを活用した関節の最適なアライメント獲得法を講習する「脊椎リアライン実技(1日)」、「脊椎・下肢リアライン実技(2日)」、「パーソナルトレーナーズスキル(3日)」があります。これらを順に学んでいただくことにより、関節アライメントを最適化するための運動療法やトレーニング指導法を習得し、治療の選択肢や治療効果の維持に役立ちます。

 

最初に、リアライン・コンセプトの全体像を理解していただくための講習としてCSPTを受講していただくことを推奨しております。設計図なしに各論ばかり学んでも、技術やノウハウの使い方を学ばなければ活用できないためです。

 

■ 筆者・セミナーご紹介

筆者:蒲田和芳

・広島国際大学総合リハビリテーション学部 リハビリテーション学科 教授

・株式会社GLAB(ジーラボ) 代表取締役

・一般社団法人日本健康予防医学会 副理事長

・株式会社リベラシオン 代表取締役

 

セミナーご紹介:蒲田和芳が講師を務める~全身の関節疾患の治療法を学ぶためのセミナーシリーズ~CSPT2019 クリニカルスポーツ理学療法セミナーの受講者お申込み受付中です。

https://realine.info/seminar/cspt 

 

長期間の「拘縮」や「可動域制限」に対しても、確実に可動性を回復させるための徒手療法技術ISR(組織間リリース®)セミナー2019も受講者お申込み受付中です。

https://realine.info/seminar/isr 

 

 

■ 関節疾病の治療と進行予防のスペシャリストになるためのサイト

 

▼ ReaLine.infoのサイトはこちら

https://realine.info/

 

関節疾病の治療を進めるには、一時的な症状改善ではなく、メカニズムを含めた根本からの治療が必要です。メカニズムを解決することにより、効果を長続きさせ、再発しにくい状態に回復させることが可能となります。関節疾患の原因へ根本から働きかけるリアライン・コンセプトは、足関節から膝、股関節、胸郭、肩、肘など全身の関節に適用できます。


ReaLine.infoでは関節運動指導士の技術を取得するための各種セミナーとともに、アライメント修正に有効なリアライン商品をご紹介しております。リアライン・ブログでは、蒲田の治療経験などを惜しみなく紹介しています。是非お立ち寄りください。

 

 

 

セラピストの卒後教育における「関節運動指導士」

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