あなたは何者?
- ギタリストのキャリアが見事に理学療法とマッチしはじめた中田先生の今後の活動にお話を向けていきたいのですが、理学療法士になってバンドも再結成されたということで、今後はどちらの活動がメインになりますか?
中田先生:僕は理学療法士もジャパハリネットも両方両立したいと思っています。漠然とした言い方ですが、バンドをやっているから理学療法士も出来る。理学療法士も出来るからバンドが出来ると。
嫁も子供もいますから、家庭の事もちゃんとやっているからバンドが出来ると。その全てをおろそかにせず、きっちりやっていきたいと考えています。まだどこかで、バンドの名前が先行していますが、私はあくまでも理学療法士であるということを前面に出していきたいと考えています。
- 個人的に嬉しかったのは、ジャパハリのオフィシャルHPの紹介欄で、中田先生のところにギタリスト、理学療法士と書かれていたところです。感動しました。
中田先生:そこは自分のこだわりなんです。僕のメインはやはり理学療法士です。だからといって、ギタリストが副業かというとそういうわけではありません。
「中田衛樹って何ですか?」って言われたら、「理学療法士です。でもジャパハリネットのギタリストでもあります」というスタンスなんです。
- 今業界内では、副業とか複業がクローズアップされていますが、例えばバンドのツアーとかってどうしているんですか?
中田先生:それは、休みの範囲でやっています。ツアーとなると予算的に、一気に回ってしまった方がいいのですが、理学療法士の仕事もありますので、休みの日を使ってうまくやりくりしています。
ここは、メンバーの協力が大きいですね。正直もう手一杯です。キャパシティーはこれ以上増やせない状態です。年齢を重ねていつまでも20代の頃のようにはできないし、それ以上にいろんなことを器用にやりくりできるタイプでなないので。
メジャーデビューした当初は150キロのストレートを投げられていましたが、今の僕らはどんなに頑張っても、140キロしか出ないので、打ち込まれます。140キロじゃ立ち向かえないんです。
では、今何を覚えるべきかと聞かれたら、コントロールを覚える必要があるわけです。変化球も覚えないといけない。そうやって変わっていくんだと思います。そんな中で、自分が信条としているのは、150キロだろうが140キロだろうが、思いきり腕を振れなくなったらもう終わりかなと思っています。
- 若干我々のインタビューのメイン、最後の「プロフェッショナルとは?」の質問にフライング回答いただいた感じがありますが、音楽のプロとして、理学療法のプロとして中田先生が考えるプロフェッショナルとはどういったものだと思いますか?
中田先生:なんでしょう。音楽、理学療法に共通して私が思うのは「責任」だと思います。自分が患者さんに理学療法をする責任、自分がステージに立って、お金と時間を割いて来てくれるファンへの責任。この責任は、理学療法士であれ、ギタリストであれ、私が大事にしているものです。
- 責任をもって、中田先生のお言葉を読者に届けたいと思います。中田先生本日は突然のインタビュー依頼にも関わらず、ありがとうございました。
中田先生:こちらこそありがとうございました。
完—。
【目次】
第一回:デビュー・解散・理学療法士
第二回:ギターリハビリテーション
第三回:モチベーションをチューニング
最終回:僕は理学療法士です。
中田先生のプロフィール
理学療法士
ジャパハリネットギタリスト
<研究発表実績>
・ 逆方向連鎖化を用いた起居動作練習効果の検討 第19回愛媛県理学療法士会学術集会
・ 逆方向連鎖と部分練習を用いた起居動作練習効果の検討 行動リハビリテーション研究会 第4回年次大会
・ 脳卒中発症後に当院に入院した65歳男性の退院までの経過報告 愛媛脳卒中シームレス研究会 第18回中予地区作業部会
・ 逆方向連鎖化と部分強化の技法を用いた起居動作練習効果の検討 第44回四国理学療法士学術大会
・ 維持期の高次脳機能障害患者に対して、行動分析学的介入により行動変化を認めた一例 第3回慢性期リハビリテーション学会
・ 高次脳機能障害を呈した症例に対するギター演奏練習 行動リハビリテーション研究会 第5回年次大会
・ 回復期脳血管障害者の重症度とADLの関連 第47回四国理学療法士学術大会
・ 回復期脳血管障害片麻痺者の端座位自立度の検討‐麻痺重症度と年齢および認知症が及ぼす影響‐ 行動リハビリテーション研究会 第8回年次大会
<論文投稿実績>
・ 重症片麻痺者に対する逆方向連鎖化を用いた起き上がり,寝返り練習の効果.高知リハビリテーション学院紀要2014;16:13-16
・ 逆方向連鎖化と部分練習の技法を用いた起き上がり動作練習‐高次脳機能障害とパーキンソン症候群を合併した脳血管障害患者に対して‐.高知リハビリテーション学院紀要2017;18:27-32
・ 高次脳機能障害を呈した症例に対するギター演奏練習‐応用行動分析学的介入により行動変化を認めた一例‐.行動リハビリテーション2017;6:18-22