【山本篤先生】理学療法士が音楽家と関わる際の注意点

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音楽と医療の橋渡し

山本篤先生:私はサックスの経験を35年、医療の経験を19年いたしました。それぞれの世界を合わせることができるというのは弊社の特色だと思います。

 

日本では、音楽と医療の間を橋渡しする存在は、まだまだ少ないのが現状です。 日本の音楽家の世界では、先生や師匠と称される、優れた演奏テクニックを教える人は数多くいらっしゃいます。

 

しかし、身体のことはご存知ではない事が一般的です。 ただ、音楽家が身体のことを知らないことは当然のことと言えます。



なぜならば、日本の音楽家の間では、今まで身体の事が全くフォーカスされてこなかったので、身体のことを学ぶきっかけが全く無かったのです。このため、身体のことを学び、その知識を活用すれば表現力が向上したという演奏経験も、もちろんありません。

 

結果、ピアノの上達のためには一日8時間弾きましょう、という世界だったのです。 スポーツでは、皆が憧れるトップ選手がプレイし、それぞれの競技でうまくなるためのテクニックや理論があります。そしてさらに、競技技術を指導するコーチ、トレーナーなど様々な選手サポートが手厚くあり、その基礎としてスポーツ医学が盛んに研究されています。


それを音楽家に当てはめてみるとどうなるでしょうか。非常に芸術的な音楽家が演奏し、音楽理論や演奏テクニックを教える先生は数多くいます。しかし、音楽家の世界には、身体のことを教える存在が全く無いのです。

 

この点が、スポーツの世界と音楽家の世界の決定的な違いです。このことも、日本の音楽家において、演奏によって身体が故障し、若いうちに引退を余儀なくされる原因の一つにもなっていることでしょう。海外の音楽家は年月を重ねるに連れて円熟味を増しますが、日本では稀なケースです。

 

音楽家と関わる際の注意点

山本篤先生: 音楽家の方は自分の音の世界をとても大切にしています。 しかしながら、その世界に身体の事、健康の事は、残念ながら含まれていません。

 

身体や健康の事に関して知識を持っている理学療法士が、そのような音楽家の方々に、無理矢理「身体の事は必要ですから勉強しましょう」とお伝えしても、音楽家の方は気づくことが出来ません。

 

例えば、全く興味がない趣味を、見ず知らずの人に「これは必要だから」と無理やり押しつけられても、決して興味がわかないのと同じです。



音楽家の方々には、今まで興味がなかった身体や健康のことについて、お知りになりたいと思われるのであれば、解りやすくお伝えいたしますよというスタンス、もしくは、こういう世界があるという事に気付いて頂けるよう、そっと脇に置いておくように心がけています。

 

自分に必要だと気付いた音楽家の方には、無理なく取り入れて頂けるよう積極的にお手伝いいたします。もちろん、今はいいやという音楽家の方におかれては、それはそれで構わないと思います。


まずは、音楽家の方に、音楽表現の質を高めるためには、身体のつくりや身体の動かし方を知るといった方法もあることに気づいていただくことが大切だと意識しています。 従来、日本の音楽家において、身体の知識を取り入れることはありませんでした。

 

しかし、海外の音楽家には、身体に関する手厚いサポート体制があるのです。それならば、日本の音楽家にも、是非そのサポート体制をご提供申し上げたいのです。


そのためには、音楽家の方々に、身体の事を知る大切さをお伝えすることが必要だと思います。そして、お伝えする時に、難解な西洋医学の言葉を、音楽家にとってスッと入りやすい言葉に翻訳することで、身体の事を知っていただきたいと考えています。

 

それができるのは、西洋医学の知識を基礎とした理学療法士で、かつ音楽家であるという、両方の側面をもった人物が適切です。つまり、相互に言葉を翻訳して伝えることが大事だと考えています。


しかしながら、その世界に身体の事、健康の事は、残念ながら含まれていません。 身体や健康の事に関して知識を持っている理学療法士が、そのような音楽家の方々に、無理矢理「身体の事は必要ですから勉強しましょう」とお伝えしても、音楽家の方は気づくことが出来ません。

 

例えば、全く興味がない趣味を、見ず知らずの人に「これは必要だから」と無理やり押しつけられても、決して興味がわかないのと同じです。

 

音楽家の方々には、今まで興味がなかった身体や健康のことについて、お知りになりたいと思われるのであれば、解りやすくお伝えいたしますよというスタンス、もしくは、こういう世界があるという事に気付いて頂けるよう、そっと脇に置いておくように心がけています。



自分に必要だと気付いた音楽家の方には、無理なく取り入れて頂けるよう積極的にお手伝いいたします。もちろん、今はいいやという音楽家の方におかれては、それはそれで構わないと思います。

 

まずは、音楽家の方に、音楽表現の質を高めるためには、身体のつくりや身体の動かし方を知るといった方法もあることに気づいていただくことが大切だと意識しています。従来、日本の音楽家において、身体の知識を取り入れることはありませんでした。

 

しかし、海外の音楽家には、身体に関する手厚いサポート体制があるのです。それならば、日本の音楽家にも、是非そのサポート体制をご提供申し上げたいのです。


そのためには、音楽家の方々に、身体の事を知る大切さをお伝えすることが必要だと思います。そして、お伝えする時に、難解な西洋医学の言葉を、音楽家にとってスッと入りやすい言葉に翻訳することで、身体の事を知っていただきたいと考えています。

 

それができるのは、西洋医学の知識を基礎とした理学療法士で、かつ音楽家であるという、両方の側面をもった人物が適切です。つまり、相互に言葉を翻訳して伝えることが大事だと考えています。

 

【山本篤先生】理学療法士が音楽家と関わる際の注意点

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