シリコンバレーの有名企業が導入していると、近年、日本においても取り入れる大手企業が増えているのが『1on1ミーティング』。人材育成の視点で、上司が部下と1対1で定期的な対話の時間を持つものだが、「1on1に時間が取られ仕事が滞る」「面談と何が違うの?」といった戸惑いの声も多い。
リハビリ業界は平均年齢32.9歳と特に若手が多い業界だ。そのため、若手のうちから主任やリーダーなど管理職に抜擢されることも多い。しかし、十数年前はリハビリ職の全体数もまだ少なく希少な職業だったため、それらの世代の考え方と若い世代の価値観との間で軋轢が生じることも多い。
そして、若手主体のリハビリ業界に1on1が必要だと考えられる大きな理由の一つは「飲み会」の在り方だ。かつて、上司と部下は居酒屋や喫煙所で定期的に話をすることで仕事観を共有していた。ところが、時代の変化とともにこのような場がなくなってしまったのだ。この飲みニュケーションを補う手法として注目されるのが『1on1ミーティング』なのだ。
冒頭でふれた「飲みの誘いに対する拒否反応」は、多様性を尊重する現代ならではの価値観の違いが要因のひとつかもしれない。しかし、それだけがコミュニケーション不良の原因とは言えない。多くの企業、病院において敷地内禁煙の流れが進んで喫煙所がなくなったこと。残業を厳しく管理する風潮から一緒に過ごす時間自体が減少したこと。飲みに半ば強制に誘うとハラスメントになる危険性があること。などが挙げられる。上司は「なにかあれば相談に来るだろう」というスタンスで待っていたとして、部下からすれば“相談したくとも物理的に場所と時間がない”というのが本音である。
「あの仕事どうだった?」「どんなところが苦労したの?」「次はこうやってみたら」など何気ない会話の中で、上司と部下が仕事観を共有する場所がなくなり、コミュニケーションによる成長が促しにくい時代なのかもしれない。これから求められる上司像は、部下を現場で直接指導するだけでなく、「部下と向き合う時間を作れる上司」=「成果を出せる上司」に変わっていくだろう。
EMIASグループは、管理職の平均年齢が31.2歳とリハビリ業界全体の平均年齢よりも若い会社だ。若い上司が更に若い世代を束ねるためには、他社以上に人材育成に重点を置く必要があると考え、数年前より『1on1ミーティング』を導入している。1on1では仕事方法の相談や人事評価に関する話は一切せずに、仕事への向き合い方や今後やりたいことなどモチベーションに繋がる内容にコミットするようにしている。ロボットやAIなど、テクノロジーの進化はリハビリ業界にも大きな影響を与える。言われたことをこなすだけの人材は今後生き残っていくのは難しいだろう。仕事に対するモチベーションにより人生をより良いものにできるよう、EMIASグループはリハビリ職としてのスキルだけではなく、これからの大変革の時代をそれぞれの個人が生き残っていくことも重要だと考えている。
株式会社EMIAS
リハビリセンターsmile-スミレ-
訪問看護リハステーションspito-スピット-
アロマケア研究会地域事業部
ウーマンズヘルスケア研究会