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【eスポーツを語る】障がい者支援施設での取り組みから見えた効果【コミュニケーション】

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みなさん、こんにちは!

秋田県でeスポーツについて実践・研究・普及を行なっている作業療法士の若狭利伸(わかさとしのぶ)です。

 

前回の記事では、eスポーツの運動機能への効果や施設での取り組みについて紹介しました。

 

第三回は【コミュニケーション】についてです。

 

ストリートファイターVをペアでプレイ!

私の勤める障がい者支援施設ほくとでは、eスポーツをリハビリテーションやレクリエーション、余暇活動の一環として職場全体で取り入れています。

その中から今回は有名格闘ゲーム「ストリートファイター」の実践についてご紹介していきます。

 

現在プレイしているのは、プレイステーション4の「ストリートファイターV」です。恐らくこの記事を読まれている方の中には、スーパーファミコンの「ストリートファイターⅡ」をプレイされた経験がある方が多いのではないでしょうか。

私も当時はボスであるベガを倒すべく、毎日プレイしていました…。懐かしいです…。皆さんは誰を使っていましたか?私はエドモンド本田を極めていました…(笑)

 

さぁ、余談はここまでにしまして、このストリートファイターVですが、私の勤める現場では主に利用者さんと職員がペアでプレイしています。

「格闘ゲームなのに2人でプレイするの!?」

「技はどうやって出すんですか!?」

そう思う方も多いかと思います。

そこには今回のテーマである「コミュニケーション」が大事になってくるのです…!

 

まず基本的に一人でコントローラーを使ってプレイできる方に関しては、一人でプレイして頂きます。

PS4のコントローラーであるDUALSHOCK4を用いてもOK、格闘ゲームでよく使われるアーケードコントローラーを用いてもOKです。

 

しかし…格闘ゲームは①キャラクターの移動、②技のボタンこの二つの要素が組み合わさって成立するものです。

上肢に麻痺のある方にとってはそこがプレイのハードルになり兼ねません。

ゲーム内の設定でボタン配置を変更することで対応することも可能ですが、私の職場ではあえて「職員とのペアプレイ」を行なっています。

上記の写真が分かりやすい例ですが、利用者さんが技を出すためのボタンを操作。職員がスティックでキャラクターの操作を担当します。

そうすることで「二人で一人のキャラクターを動かす」というプレイスタイルが生まれます。

 

では問題の技を出すという部分。

使うキャラクターによってはボタン一つで技が出る場合もありますが、例えば世界一有名な格闘ゲームの技である「波動拳」や「昇竜拳」はボタンとスティックの動きの連動が重要になります。

その部分に関しては、それぞれのペアでどのボタンを中心に押していくのかを事前に相談です。この二つの技はパンチボタン+スティックの動きで繰り出せる技なので、利用者さんにはパンチのボタンを押してもらい、職員がスティックでコマンド入力をします。

そうすることで、それなりに技を出しつつ、闘うことが可能になります。

 

そして勝利に近づくうえで大事なのは、防御の部分。

格闘ゲームはどんどん攻めて相手の体力を減らしていくことも大事ですが、敵の攻撃をいかにして防ぎ、攻撃に繋げていくかも重要です。

ここもペア同士のコミュニケーションが大切!

ゲームの特性上、技を出している際に防御をしても感知されないことがあります。防御はスティックを相手がいる反対側に倒すことでできるのですが、そのタイミングがまた難しい。

そこで私の現場では、ペアの職員が「防御!」や「いったんストップ!」と利用者さんに声をかけて防御をし、「GO!」や「連打!!」と合図を送って攻撃に切り替えています。

ここに関しては、本当に練習が必要になりますが、上手くいき始めると、本当によく連携ができるようになります。観ている側も「お~!」と思わず声を出してしまうほどです…。

 

実際に先日施設内で行なった「真夏のeスポーツ最強戦士決定戦!E1CLIMAX!」という大会で優勝したペアは、この辺りの連携・コミュニケーションがとても上手でした…!

さらにこの大会は、YouTubeでの生配信も行なったのですが、通りすがりのゲーマーさんからも「上手!」というコメントを頂きました!嬉しいです…!

 

ということで、ストリートファイターVに関しては「コミュニケーション」がいかに重要かを分かっていただけたかと思います。

 

プロのeスポーツプレイヤーも何度も闘い、何度も負けて、練習を繰り返して勝利を目指しているように、ペアとのコミュニケーションをとりながら練習を重ねていくことが勝利へと繋がっていきます。

 

またeスポーツを始めたことがキッカケで、利用者さん同士の会話や職員との会話も新たに生まれたように私は感じています。その他にも、闘った相手へのリスペクトや労いの言葉、応援する声かけなど様々な「コミュニケーション」が生まれていくこともeスポーツの魅力ではないでしょうか。

 

利用者さんだけではなく、職員も楽しむ!

「利用者さんだけではなく、職員も楽しむ!」

これは、私が心がけていることです。

 

臨床の現場では「患者さんのために」「利用者さんのために」という気持ちばかりが先行し過ぎてしまい、同じ空間で作業をしている職員側はなんか楽しそうじゃなかったり、しょうがなくやっている感が出てしまうことも時にはあるかと思います。

確かにその気持ちを持つことはとても大事なことなのですが、よくよく考えてみると将来的に自分たちもリハビリを受ける側になる可能性は十分あるわけです。

その時に職員が楽しくなさそうだったらどうでしょうか…?

変に気を遣ってしまったり、居心地が悪いなぁ…と私なら感じます。

 

そういう意味では、eスポーツは利用者さんも職員も一緒になって楽しめるコンテンツの一つなのではないかと思います。

実際に施設で大会を行なうと、利用者さんよりもペアの職員の方が大きくガッツポーズを自然としてしまう場面もよくみます…!

 

ただこれに関しては、私がeスポーツを日常的に行なっていて、完全にその魅力に憑りつかれているからそう言えるのもありますが(笑)、この部分を追及していくことはeスポーツだけに限った話ではないと思います。

 

リハビリ職として、目の前の利用者さん・患者さんに楽しんでいただくことを考えるのと同時に、未来の自分たちへの投資だと思ってリハビリテーション、レクリエーション、余暇活動の選択肢を作っていくことが目指していく姿なのではないかと私は考えています!

 

施設のeスポーツタイトル「E1 CLIMAX」

施設では定期的にストリートファイターV大会を行なっています。

その中でも前述した「E1CLIMAX」は、年に一度の最大の大会として位置付けているもので、優勝者には優勝カップを贈呈し、チャンピオンベルトのようにカップを優勝者で回していきます。

※プロレスファンの方なら、大会名をどこから付けたものか分かっていただけるはずです(笑)

 

いずれは、全国の障がい者施設などにeスポーツを普及し、オンライン上で大会を開催、このタイトルを全国のプレイヤーで争う日が来ることを私は目指しています…!!

一緒に大会に参戦して下さる施設の方々、募集しています!TwitterのDMお待ちしております。

 

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次回の記事は、私が現在注目している【ブラインドeスポーツ】についてです。お楽しみに。

みなさん、最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

【eスポーツを語る】障がい者支援施設での取り組みから見えた効果【コミュニケーション】

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