【厚生労働省】令和3年度介護報酬改定案(通所介護3)

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令和3年度介護報酬改定の主な事項について1月18日、第199回社会保障審議会介護給付費分科会にて発表された。

シリーズ第6回目の記事となる今回は通所介護の中盤の続きとなる各加算について書いていきたい。

【本日の目次】


・各加算・サービス実態と改定による変化を把握する
 

①    生活機能向上連携加算
②    その他加算(次回)


・改定ポイントを再度整理する
 

各加算・サービス実態と改定による変化を把握する


①    生活機能向上連携加算

まず加算の概要を簡便に整理すると、、

訪問リハビリテーション若しくは通所リハビリテーションを実施している事業所又はリハビリテーションを実施している医療提供施設の医師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が、通所介護事業所を訪問し、通所介護事業所の職員と共同で、アセスメントを行い、個別機能訓練計画を作成すること。
リハビリテーション専門職と連携して、個別機能訓練計画の進捗状況を3月ごとに1回以上評価し、必要に応じて計画・訓練内容等の見直しを行うこと。
※病院にあっては、許可病床数200床未満のもの又は当該病院を中心として半径4キロメートル以内に診療所が存在しないものに限る。

次に
生活機能向上連携加算に関する課題について把握していきたい。

・通所介護における生活機能向上連携加算の算定率は3.9%(H31.3提供分)
・訪問,通所リハ事業所や病院と連携したことがないため依頼に躊躇する24.6%
・近隣にある事業所等がわからない10.8%
・連携先に人手不足を理由に断られた3.6%
・かかるコストや手間に比べて単位数が割に合わない38.5%
・連携先に対する謝礼金額の調整がむずかしい2.8%
・連携先が協力関係にある20.4%、法人内グループの事業所49.0%
・連携に至った経緯は通所介護事業所側からのアクションが53.1%

今回の改定の内容は以下の通り。

【ア】
生活機能向上連携加算について、ICTの活用等により、外部のリハビリテーション専門職等が当該サービス事業所を訪問せずに、
利用者の状態を適切に把握し助言した場合について評価する区分を新たに設ける。【告示改正】

【イ】
訪問系サービス、多機能系サービスにおける生活機能向上連携加算(Ⅱ)について、
サービス提供責任者とリハビリテーション専門職等がそれぞれ利用者の自宅を訪問した上で、
共同してカンファレンスを行う要件に関して、要介護者の生活機能を維持・向上させるためには多職種によるカンファレンスが効果的であることや、
業務効率化の観点から、同カンファレンスについては利用者・家族も参加するサービス担当者会議の前後に時間を明確に区分した上で実施する
サービス提供責任者及びリハビリテーション専門職等によるカンファレンスでも差し支えないことを明確化する。【通知改正】

※ 外部のリハビリテーション専門職等の連携先を見つけやすくするため、生活機能向上連携加算の算定要件上連携先となり得る訪問・通所リハビリテーション事業所が任意で情報を公表するなどの取組を進める。


【単位数】
<改定後>


・生活機能向上連携加算(Ⅰ)100単位/月(新設)(※3月に1回を限度)
・生活機能向上連携加算(Ⅱ)200単位/月(現行と同じ)

(Ⅰ)と(Ⅱ)の併算定は不可。


【算定要件】
<生活機能向上連携加算(Ⅰ)>(新設)
○ 訪問・通所リハビリテーションを実施している事業所又はリハビリテーションを実施している医療提供施設(病院にあっては、許可病床数200床未満のもの又は当該病院を中心とした半径4キロメートル以内に診療所が存在しないものに限る。)の理学療法士等や医師からの助言(アセスメント・カンファレンス)を受けることができる体制を構築し、助言を受けた上で、機能訓練指導員等が生活機能の向上を目的とした個別機能訓練計画を作成等すること。

○ 理学療法士等や医師は、通所リハビリテーション等のサービス提供の場又はICTを活用した動画等により、利用者の状態を把握した上で、助言を行うこと。

<生活機能向上連携加算(Ⅱ)>(現行と同じ)
省略(先に記載した概要部分の文章に同じ)



以上が通所介護に係る生活機能向上連携加算まとめとなる。
 

通所介護における生活機能向上連携加算において大切な部分は、
 

【利益のためでなく、有効活用するために自事業所でどう取り組むか?】


ではないだろうか?

課題部分から考えても、通所介護側、連携先双方からのアクションが少ないことが伺え、そもそも連携を取る姿勢となっていないことが浮き彫りとなっている。


また、加算の算定にあたっては、

医師の訪問や助言についての文言が入っている点、
連携先の医療提供施設は診療所や小規模の病院かつ近隣の範囲に限られている点

等を忘れてはならない。

地域包括ケアの拠点を明確に、提供範囲も絞ったうえで地域住民を支える仕組みをつくりたいという意図が感じられる。

 

加えて、コスト的な課題が挙がっているが、制度設計側もこの算定で通所介護が儲かるようになる。とは思っていないのではないだろうか?

各事業者間・医師と綿密に連携してサービス提供できればもっと成果が挙げられるデータはあるのでしっかり考えよう!

というメッセージと私は受け取った。

 


 

改定関係の読み込みに大事なのは、


【ビジネス的にどうか? 儲からない加算ならなぜあるのか? それに取り組む意義をどのように考え抜くのか?】
 

それぞれを徹底して考えることが大切である。

 


 

いいとこ取りしようと考えれば、

通所介護側からはリハビリ専門職の視点から日々の取組についてピンポイントで専門職に相談したりできるメリットもある。

例えば、配置の少ない言語聴覚士の訪問も可能であり、後に整理する口腔関連の加算とのシナジーもあるといえる。

通所介護自体にリハスタッフが所属しているケースの報告も一定数あることから、より配置の少ない言語聴覚士の協力が得られないか、まず優先して考えてもよいであろう。

 

法人内グループの事業所からしてみれば、人員の配置をより柔軟に考えられる点もあり、訪問リハビリテーションのように空き時間、移動時間などの有効活用も可能である。

通所介護側からも、連携事業所・医療機関側からも、積極的に営業部隊としての連携を結ぶ時間が加算で行えると思えば、単位以上の価値をいくつも作れる加算であるといえるのではないだろうか?

ICTの要件緩和があったものの、まずは直接の連携強化のため、顔の見える関係性に注力していきたいと思えた改定となった。
 

リハビリ専門職の多い事業所で抜きんでる人材は、法人内他事業所に巡回する視点を持った人材かもしれない。

 

 

【目次】

第一回:令和3年度介護報酬改定案(概要サマリー)

第二回:令和3年度介護報酬改定案(訪問看護)

第三回:令和3年度介護報酬改定案(訪問リハビリテーション)

第四回:令和3年度介護報酬改定案(通所介護1)

第五回:令和3年度介護報酬改定案(通所介護2)

第六回:令和3年度介護報酬改定案(通所介護3)

第七回:令和3年度介護報酬改定案(通所介護4)

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