NLPって知っていますか?
養成校を卒業してからはずっと精神科の病院に勤めています。現在は精神科の病院の附属のデイケアで働いています。そのため、精神科の患者さんや認知症の高齢者の方が多い領域で働いてきました。
ずっと精神科で働いていたので、心理学とかにも興味があり、心理療法とか心理学を学びたいと思っていました。その中でNLPという心理学に興味を持って、3年目か4年目の時にNLPのコースをに通い始めました。
心理学って割と『患者さんの為に、患者さんをよくする為に』みたいなことを重視されるんですけど、NLPはまず『自分を良くしよう、自分の人生を豊かにしよう』みたいな所からスタートしてたので、それがすごく面白いなと思いました。
自分自身もOTをやっていく中で、自分が接する患者さんが統合失調症の若い患者さんだったり、高齢の認知症の患者さんだったりするんですけど、色んな人と接しなきゃいけなかったので、何か一つ手技を身につけたとしても、ある患者さんには使えるけど、ある患者さんには使えないと嫌だなと思うんですよ。
精神科のリハビリなんだけど、身体を動かすようなリハビリをすることもあるし、逆に『絵を描いて』とか本当に精神科みたいなことをすることもあるし、何か手技みたいなものを身につけたとしても、時代は変わるから、患者さんの種類みたいなものも変わってくるわけじゃないですか?
昔はOTが接する患者さんって脊髄損傷とか結核の作業療法とかだったんだけど、時代が変わっていくにつれて結核の作業療法をする患者さんとかはいなくなっちゃったし、時代が変わると病気も変わるから、何か一つの手技を身につけても違う病気には対応できないから、何を勉強しようと思った時に、自分にも使えるっていうのがすごくヒットして、NLPっていうのを学んでみようと思いました。
問題点が解決しても、その人のやりたいことができるわけではない
NLPのおもしろい所は、『この人は何が本当にしたいのかな』っていう所にフォーカスして、カウンセリングとかをしていくアプローチだったのが、すごくおもしろいと思いました。
例えば足が痛い人がいて、足が痛いのが無くなったからといってその先にやりたいことがなかったら、実は足の痛みは取れなかったりとかして、精神科の世界だと、病気が良くなった後に死んじゃう人や自殺しちゃう人もいる。
病気が良くなって幻聴とかがすごい人が問題があるけど、幻聴が無くなった途端に、今までずっと問題に悩まされてきたからそれがなくなればいいと思ってたけど、それが無くなったら無くなったで自分の人生何もないんだなってことに気づいちゃってそれで生きる理由を見失っちゃって死んじゃう人がいるわけです。
だから問題を解決するだけじゃやっぱり良くないというか、問題を見つけること自体は大事なんだろうけど、それと同時に『どういう人生を送りたいのかな』とか『何がしたいのかな』っていうのを同時に見つけていかないと、結局何の為にリハビリしているのかわかんなくなっちゃうじゃないですか。
そういう問題も見つつ、目標を明らかにするっていう二つのことをやるっていうのがすごく新鮮で、おもしろいと思いました。それで、そのことをずっと勉強してるうちに、『自分も何か伝えたい』とか『人前で話したい』とか『ワークショップをしたい』とかいう気持ちがすごく自分の中に出てきて、『やってみよう』と思うようになりました。
《バックナンバー》
杉長 彬先生 経歴
リハビリコミュニケーション研究所代表。
リハビリ職専門コミュニケーショントレーナー。
作業療法士。
NLPマスタープラクティショナー。
2006年、作業療法士免許取得後、埼玉県内の精神科病院に就職。
現在は病院併設の高齢者のデイケアの責任者として勤務。
1日平均150人以上、職員数40人以上の大規模なデイケアにて
NLPを応用したマネジメントを実践している。
2009年リハビリ業界において、コミュニケーション能力の必要性を実感し、NLP(神経言語プログラミング)を学び始める。
2010年NLPマスタープラクティショナーの資格を取得後、NLPの考え方と自身の経験を活かして、リハビリコミュニケーション研究所を立ち上げ、
2011年よりリハビリ職に特化したコミュニケーションのセミナーを行っている。
またリハビリ職向けのコミュニケーションのコツを伝えるリハビリコミュニケーション研究所podcastを月2回配信している。
ホームページ:リハビリコミュニケーション研究所
リハビリコミュニケーション研究所podcast