全3タイトルの最終巻「Stay's Anatomy運動器編〜99%が理解できた解剖学オンライン講義」が出版されました。以前は神経・循環器編を書評いたしましたが、今回は個人的興味の深い運動器編の書評をさせていただきます。
解剖学は解剖学だけで完結できない
町田先生の解剖学のお話は以前よりお伺いすることが多く実感としてもありましたが、今回の書籍冒頭でも「99%が理解できた」というように、先生のお話は「理解」に特化されています。
今回の書籍でも「解剖学」を教えてはいますが、「解剖学」だけで説明するのではなく、「生理学」等も交えながら説明されているため「理解」につながります。
通常、解剖学で連想されるのは「暗記」ですが、我々が解剖学を臨床で活用するためには不十分であると言えます。暗記しつつ、理解まで落とし込めることで、臨床との総和が見込めるわけですが、その際ポイントとなるのが「解剖学を解剖学だけで完結させない」点にあると思っています。
勝手な見解として、町田先生の解剖学が理解されやすい点は解剖学以外が肝で、この話が特に面白いです。本書を手に取り、冒頭から順番に(骨から解説が始まる点にも意味があります)読み進めていただけると、その意味がわかるかと思います。
やはりマニアックな章分け
以前にも町田先生の書籍を拝見させていただいたことがあり、この点にも触れたと思いますが「章分け」が特徴的であると思います。今回の特徴は、下肢の筋肉を「コンパートメント(筋区画)」ごとに記載している点にあります。
解剖学で多く聞く悩みが「筋の起始・停止が“覚えられない”」です。人間の体は当然、立体的ですからこれらをただ暗記するだけだと平面のイメージ、そもそも絵としてのイメージすらつかない状態で学ばざるを得なくなります。
この点、区画ごとに分けて理解することで支配神経等含んだ、筋肉の走行が立体的に理解することができます。この点も、暗記より理解に重点を置いた解剖学を伝える町田先生の技術だと思います。
ぜひ、現職者の方も暗記で終わらせた解剖学を一歩前進させた理解に進めるために、本書をご覧になってみてはいかがでしょうか?