献本いただきましたので、書評を書かせていただきます。こちらの書籍は前作「医療・介護職の新しいキャリア・デザイン戦略~未来は、自分で切り拓く~」の第二弾で「副業」をテーマに取り上げたものです。本書でも紹介されている通り一言で「フクギョウ」と言っても様々あります。また、考え方やフレームワークも多岐に渡ることから、具体的な内容は避け「本書を必要とする人は誰か?」という目線でお伝えします。
TODOリスト願望者は対象にならない
TODOリストとはその言葉通り「やることリスト」のことを指します。今やるべきことを1から10まで列挙して、優先順位を考え並べ直します。ここでいう「TODOリスト願望者」とは、「やることリスト」さらに優先順位までまとめたものを欲する者を指します。つまり、1から10まで全て指示通りにやりたい人は本書を手に取っても何も生まれません。
そもそも、自身で本業以外の柱を立てる(この場合に柱は本書に習い賃金以外のやりがい等も含む)場合、「やることリスト」は全て自分で描かなければなりません。どちらかといえば、「やることリスト」を作るために必要な情報が手に入る書籍です。このような書籍に期待する「楽に儲ける方法」とは全く異なりますので、ご注意ください。「楽に儲ける方法」なんてものは存在しません。
POSTインタビューで得た知識
POSTでは多くの医療関係者にインタビューさせていただきました。本書の著者もその一人。POSTに忖度いただいた部分がチラホラ見受けられました(ありがとうございます)。インタビューでは、著名な方、第一線で活躍される方、新領域の開拓をされる方など突出した人を基本としており、その共通点を探すことこそがインタビュー記事を通してみてもらいたい部分です。
インタビューのほとんどは本書同様「キャリアデザイン」の一端をご本人に語っていただくわけですが、理論的にキャリアをデザインされた方ばかりではありません。当然「行き当たりばったり」「言われたことをやっていたらこうなった」など、ある意味では「To Doリスト願望者」に聞こえなくもない発言もあります。
しかし、改めて本書を手にとり一通り読み進めてから過去のインタビューを振り返ると、紹介されているフレームワークに沿った戦略・戦術が見てとれます。もちろんそれは意図しなくても、キャリアデザインを行う上では本書で紹介されているフレームワークは確実に機能しているといえます。「なんとなく目の前のことに必死になっていたら今の地位に来た」という言葉はよく聞かれますが、そこには本書で紹介されているようなカラクリが存在するのです。
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