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こどもたちと共に成長していく—小児リハならではの難しさとやりがい【理学療法士|山下祥恵】

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EMIASグループで活躍スタッフに「ありたい姿」を聞いてみた①

「こどもたちと共に成長していく—小児リハならではの難しさとやりがい」

熊本県大津町にあるこども発達サポートセンターるーとはPTOTなどのリハビリテーション専門職と保育士、児童指導員、児童支援発達管理責任者などの多くの専門職が在籍しており、関連事業所である訪問看護ステーションspito-スピット-の看護師や言語聴覚士とも連携をしながら、こどもたちの成長を促す専門的な関わりを行なっている多機能型事業所です。今回はそこで働く理学療法士の山下さんにお話を伺いました。 

インタビュアー
本日はお忙しい中お時間をいただき、ありがとうございます。現在るーとで理学療法士として活躍している山下さんですが、小児リハビリに興味を持たれたのは、何かきっかけがあったのでしょうか?

 

山下さん:
学生時代の実習で、小児のリハビリに関わったことがきっかけですね。子どもたちが成長していく過程に寄り添うことに魅力を感じていました。また、単純に子どもが好きだったということも大きいです。大人とは違い、子どもたちは感情豊かで、自分たちのやりたいことを率直に表現します。そうした子どもたちの成長をサポートすることが、自分にとってのやりたいことだと感じたので、小児リハに携わっています。

 

インタビュアー
なるほど。元々病院で成人や高齢者相手にリハビリを行っていたキャリアだと思いますが、実際に小児リハビリに転職されて、最初に感じたことは何ですか?

 

山下さん:
最初に感じたのは「大人のリハビリとは全然違う」ということですね。大人のリハビリでは、目標に向かって計画を立て、それに向かって努力していくというプロセスが明確です。しかし、子どもたちの場合は、理屈で納得してもらうのが難しい。だからこそ、楽しさやチャレンジ精神を引き出すような環境作りが必要です。子どもたちが「やってみたい」と思えるような雰囲気を作ることが、私たちの仕事の一つだと思っています。

 

 

インタビュアー
子どもたちが自発的に挑戦したくなる環境作りを大切にされているのですね。具体的なエピソードがあれば教えてください。

 

山下さん:
ある男の子の例が印象的です。その子は最初、全くリハビリに興味を示さず、何をやってもすぐに飽きてしまうタイプでした。でも、ある日、彼が大好きなキャラクターの絵を使ってリハビリの道具を作ったところ、急に目を輝かせて挑戦し始めたんです。彼が楽しんでくれることで、リハビリの効果が徐々に現れ、今では自分から「これをやりたい」と言ってくれるようになりました。こうした経験から、「やりたいと思わせることの大切さ」を改めて感じました。

 

インタビュアー
そのように工夫しながら子どもたちの興味を引き出すことが、リハビリの成功に繋がるのですね。山下さん自身、挑戦することを楽しんでいるように感じますが、その原動力はどこにあるのでしょうか?

 

山下さん:
私自身、変化を楽しむタイプなんです。同じことを続けるのがあまり得意ではなく(笑)、新しいことに挑戦するのが好きなんですよ。だからこそ、子どもたちが楽しんでくれるように、自分自身もリハビリの方法を常に工夫しています。もちろん、試行錯誤の結果がうまくいかないこともありますが、そうしたプロセスも含めて「挑戦」を楽しんでいる感覚があります。

 

 

インタビュアー
そのような前向きな姿勢が、山下さんのリハビリに対する姿勢に反映されているのですね。リハビリにおける「成功」とは、どういった瞬間だと感じますか?

 

山下さん:
私にとっての「成功」は、子どもたちが自分の足で次のステップを踏み出す瞬間です。例えば、最初は何もできなかった子が、自分で立ち上がり、歩き始めるようになると、それが大きな達成感に繋がります。また、第三者の先生や保護者から「最近、この子がこんなことをできるようになった」と言われると、それまでのリハビリが実を結んだことを実感します。こうした瞬間が、私にとってのやりがいですね。

 

インタビュアー
他者からのフィードバックがあると、改めて自分の取り組みが正しかったと実感できるのですね。では、スタッフとの関わり方についてもお伺いしたいのですが、チーム内で意識されていることは何でしょうか?

 

山下さん:
チームとしては、意見のバランスを取ることを大切にしています。職場には様々な考え方や意見を持ったスタッフがいますが、その中で一つの意見に偏りすぎないように心がけています。例えば、誰かが「こうした方がいい」と言ったとしても、それに全員が盲目的に従うのではなく、しっかりと話し合いながら最善の方法を見つけるようにしています。また、愚痴や不満が出た時も、それをただ聞くだけでなく、建設的な方向に話を持っていくようにしています。

 

インタビュアー
最後に、今後のビジョンや目標について教えてください。

 

山下さん:
私の目標は、るーとが地域で必要とされる場所になることです。まだまだ認知度は高くありませんが、もっと多くの人に知ってもらい、利用者さんやそのご家族にとって頼れる存在になりたいです。また、今後は重症心身障害児の支援にも取り組んでいきたいと考えています。大津町にはそういった支援施設が少ないため、彼らが安心して通える場所を作りたいと思っています。

今回は、EMIASグループのこども発達サポートセンターるーとで活躍している山下さんの日頃考えている「ありたい姿」についてのインタビューをお届けしました。「地域の明日を笑みに変える」をテーマに地域に根付いた活動をしているEMIASグループ。今後もEMIASで活躍するスタッフに聞いてみた「ありたい姿」についての内容を発信していきます。 

こどもたちと共に成長していく—小児リハならではの難しさとやりがい【理学療法士|山下祥恵】

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