訪問看護ステーションspito-スピット-は熊本県熊本市東区に拠点を構え、Spin tommorrow「明日につむぐ」という名前の由来を持つ地域に根差した訪問看護ステーションです。PT /OT/STと看護師との連携や訪問ベッドを持参しての運動療法提供、独自のアロマケアなどの特色のあるサービス提供を行なっている事業所です。今回はスピットの事業所長として、EMIASの幹部として活躍されている前田さんに大事にしていることや自らの役割、スピットの将来像などお話を伺いました。
前田さん、本日はよろしくお願いします。まずは、簡単にこれまでのご経歴を聞かせていただけますか?
よろしくお願いします。専門学校卒業後は病院に就職し、理学療法士として3年間勤務しました。4年目を迎えるタイミングでEMIASに入職し、訪問看護ステーションSpito-スピット-に配属されました。今年で8年目になります。入社4年目でスピットのセラピスト部門の主任、7年目で統括主任、そしてEMIASの幹部という役職に就きました。
EMIASに入社した当時、どのような印象を持たれましたか?
EMIASは新しいことに積極的に挑戦し続けている会社だと感じました。病院勤務時代、自分のキャリアについて深く考えることがあり、理学療法士としての知識や経験をもっと幅広く活かしていきたいという気持ちが強くなりました。その時にスタッフの挑戦を応援するEMIASの社風が自分の目には魅力的に写りました。ここなら自分は成長できると可能性を感じたのを覚えています。
EMIASに入社してから、具体的にどのようなことに取り組んでこられたのでしょうか?
入社2年目から社内制度である新規事業立ち上げ制度を活用して、アロマに関するセミナー事業の立ち上げや、セラピストのキャリアを応援する団体の運営などに取り組みました。どちらも未経験の分野だったので、最初は全てが手探り状態でした。
「まずはやってみる」という姿勢と「継続することの大切さ」を学んだことです。20代は、がむしゃらに頑張るしかないと思っていました。ただ、実際の9割はうまくいかないことばかりでした。結果が出ない状況が続くと、継続すること自体が苦しくなり、諦めたくなる瞬間もありました。しかし、「続ければ必ず何かに繋がる」と信じて、1つ1つの小さな成功体験を積み重ね、さまざまなプロジェクトをやり遂げてきました。変化に対応しながら諦めずに取り組み続けたことが今の私を作っていると思います。
現場でご利用者と接する際に大切にしていることはありますか?
「その人らしさ」を大切にしています。つまり、その方が「どう生きたいか」という想いを尊重することです。例えば「ある疾患を持ちながら喫煙を続ける」など医療従事者からみるとやめてほしいことも、その方が選択したことで、「その人らしさ」の一部と捉えることもできるし、寿命を縮めるリスクがあると捉えることもできる。
そう考えると、非常に難しい判断です。ただ、その選択をそばで見ている私自身も後悔しないために、しっかりとリスクの説明と選択肢を提案して、最終的にはご利用者本人に決めてもらうようにしています。このバランスがいつも難しいと感じています。
スタッフと関わる際に意識していることはありますか?
訪問看護の仕事を「楽しい」と思ってもらうことですね。そして、スピットというチームを好きになってもらいたいです。訪問看護は訪問を行う時は一人のため、個人プレイが多いように見られると思いますが、実際はチームでサービスを提供しています。仲間への信頼や愛着があると、自然と「自分のため」から「みんなのために」という意識に変わりチームがより成長すると感じています。
幹部としての役割については、どのように考えていますか?
現場と幹部、マネージャーとの視座や視点の違いから生まれる課題や問題に対する捉え方・考え方が異なることがよくあります。その異なる部分のコアが何かを捉えた上で、チームのありたい姿をしっかりと伝え、通訳として想いを繋げることが、私の役割であると思います。
EMIASの幹部でも、色々なタイプの方がいると思いますが、前田さんの強みはどんな部分だと思いますか?
私の強みは、どんな依頼にも「やります!」と即答し、積極的に挑戦をし続けてきたことです。はじめにお話ししたように全てが順風満帆にいったわけではなく、失敗もその分多くありました。その中で、社長をはじめ、幹部、EMIASのみんながチームとしてフォローをしてくれました。挑戦をし続けられる環境があるからこそ、たくさんの経験とさまざまなことをやり遂げられてきたと感じています。
その経験を踏まえて、今はどのような思いで仕事に取り組んでいますか?
数年後に社長や他の幹部と同様な立ち振る舞いや言動が出来るかと思うと、不安な気持ちになります。その不安を払拭するために、今できることに取り組み、未来の成長した自分が幹部メンバーと同等に、さらには追い越せているように日々の業務に取り組むようになりました。最近では、そういった心境も少し変化があり、私が社長や幹部を目標としていることと同じように、私の姿を見て目標にしてくれる後輩ができたら嬉しいなと思うようになりました。
スピットが地域の皆さんにとって「あって当たり前」「なくては困る」存在になりたいです。そのためには、スタッフ一人ひとりが成長し、チーム全体で共に歩んでいくことが大切です。スキルの向上も重要ですが、人と人との関わり方に重きを置き、ご利用者、地域、医療機関との信頼関係を築いていきたいと考えています。
訪問看護の未来、ビジョンについても何か考えていることがありますか?
私が目指していきたい訪問看護はその人らしくご自宅で過ごし、在宅での最期が当たり前になることです。「その人らしい最期」をどうむかえられるのか。ただ、単に必要な医療処置やリハビリ、ケアを提供するだけではなく「その人の人生そのものに寄り添う」という関わりを高めていきたいです。ただ、訪問看護だけではそれを実現することが難しいこともあり、在宅療養に必要なサービスを必要な時に届けることが重要だと感じています。
さまざまな支援を通して可能な限り住み慣れた地域やご自宅で暮らせるために将来は看護小規模多機能型居宅介護との連携もやっていきたいです。「訪問看護」と「看護小多機能」を組み合わせたケアを普及させ、住み慣れた地域で誰もが自分らしく、安心して最期を迎えられる社会を実現したいです。そのためにも全員でこういう未来やビジョンを共有して突き進んでいければ、「地域の明日を笑みに変える」というEMIASのミッションに近づけると信じています。
素晴らしいですね。最後に前田さんから伝えたいメッセージがあればお願いします。
自分のキャリアは自分自身で切り開くものです。最初は不安でも「まずやってみる」という姿勢が大切です。変化に適応する努力をし、失敗しても諦めず挑戦し続けること。努力は必ずどこかで実を結ぶと信じています。EMIASに入社して多くのことに挑戦をさせてもらい、多くの失敗もしてきました。
それをEMIAS、スピットのメンバーがフォロー、助けてくれたことで多くのことを経験できました。スタッフ全員、特に新入職の皆さんには、EMIASでしか出来ないことは多数あるので、失敗を恐れず挑戦する気持ちを大切にしてほしいと思います。そして、その挑戦を支える側に回ることが私の次の役割だと思います。
素晴らしいメッセージをありがとうございます。本日はお時間いただきありがとうございました。
今回は、訪問看護ステーションspitp-スピット-の事業所長として活躍している前田さんの大事にしている想いや事業所の将来像についてのインタビューをお届けしました。「地域の明日を笑みに変える」をテーマに地域に根付いた活動をしているEMIASグループ。今後もEMIASで活躍するスタッフに聞いてみた「ありたい姿」についての内容を発信していきます。