移動時間も貴重なリハビリの時間
私は、結構な田舎で訪問リハビリテーションに従事している。
田舎には田舎の良さや、不便さがある。
都会のように自転車で訪問先と訪問先を行き来することは難しい。
基本的には自動車で訪問している。
都会・住宅地などにおいては、移動距離が短く、その分訪問リハビリテーションの時間に当てることができる、自動車を利用する必要がないなどの良い面もあるだろう。
日本訪問リハビリテーション協会の調べによれば、
訪問先の移動距離と時間は、
平均移動距離(事業所から訪問先)は12.8km、平均移動時間31分とある。
移動距離が長いことにおいてのメリット。
そんな話を今回はしたい。
“移動距離が長い”ことで、できること。
それは、『考える』こと。
例えば、利用者さんと次の利用者さんまでの移動時間が20分あったとする。
すると、その20分間でいろんなことを考えることができる。
「今日のリハビリテーションの内容はどうだったかな?」
「今日の〇〇さんの笑顔、とても良かったな。」
「今日はご家族さんの元気がなかったな。」
などの振り返りや、次の利用者さんとのリハビリテーション内容を考える時間がある。
もちろん、自動車の運転はそんなに簡単なものではない。
細心の注意を払いながら、安全運転を心がけているつもりだ。
事故に注意を払いながら、利用者のことを考える。これはマルチタスクであり、療法士の脳トレをも担っているのかもしれない。
・・・話を戻そう。
私は、リハビリテーションの時間、単位数内の時間のみがリハビリテーションだとは思っていない。
むしろリハビリテーションの時間に、その利用者・患者さんのことを考えるのでは遅いと思っている。
何事においても事前の準備は、良い結果を生む。
リハビリテーションでも同じことだ。
リハビリの時間になって、「この人のリハ内容どうしようかな?」と考えるのでは遅いのだ。
当たり前のことを言っていると思うかもしれない。
しかし、この当たり前のようなことができていない人が多いのではないかと私は感じている。
その利用者さんと相対していない時間に、その人のことをどれだけ考えてあげられるか。
その時間こそが重要であり、
参考書を読むよりも、時間を費やすべきことだと思っている。
これは訪問リハビリテーションに限っての話ではない。
入院患者であれば、カンファレンスなどもその人を考える時間になるし、カンファレンスがなくても、お昼の食事時間にふらっと担当患者のところに行き、どんな様子で過ごしているかなどを見てあげる、考えてあげるだけでも、その人とのリハビリに大きな影響を与える。
外来リハビリでもデイサービス・デイケアでも同じだ。
業務後にカルテを書くことで、その日の振り返りになるかもしれないが、それだけでは足りないのではないだろうか。
訪問リハビリでの移動時間は、『リハビリひとり会議』にはもってこいの時間と私は考えている。
移動時間がとても少なく、効率的な事業所もあるだろうから一概には言えない。
何にせよ、その人のことをどれだけ思ってあげられるかがリハビリテーションの上で重要な要素であり、
それは、その人のことを考えている時間に比例するのではないか。
訪問リハビリテーションの移動時間はただの移動時間ではない。その時間も『訪問リハビリテーション』なのだ。
そんな訪問リハビリテーションはやはり魅力的な仕事である。
【目次】
第一回:百聞は一見に如かず
第二回:その人の人生に寄り添える
第三回:その人の感性に触れることができる
第四回:ありがとうの意味
第五回:人はいつまでも変わることができる
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