「奨学金は返済する義務ある。」
日本学生支援機構の資料によると、2015年度末の延滞額総計は約880億円にものぼる。
卒業後、多くの人が奨学金の返済に悩まされている実情にある。
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第一種奨学金と第二種奨学金
そもそも日本学生機構が提供している奨学金には、第一種奨学金(無利息)・第二種奨学金(利息付)の二種類がある。
第一種奨学金は、家計基準と学力基準が決められており、国の一般会計からの政府貸付金と返還金を財源としている。詳しい選考基準に関しては以下のリンクから。
一方、第二種奨学金は、高校で平均以上の学力があれば、無審査で貸りることができ、財政融資資金等、民間からの資金が主である。大半の学生が利用している奨学金はこちらだ。
利息のある返済金は第二種で、働いてから月々の給料で返済することになる。
返済額は借りた額によるが、4年制大学(貸与期間:48ヶ月)を卒業したAくんの場合は、返済利率1.0パーセントで毎月約1,7000円を20年かけて返済している。
理学療法士・作業療法士の平均月給は27万円。40歳になるまで奨学金と付き合っていかなければいけない。
返還困難になった場合はどうなるの?
日本学生機構の平成27年度奨学金の返還者に関する属性調査結果によると、延滞が始まった理由の大半は「家計の収入が減った」である。
人生何が起きるか分からない。もし返還困難になった場合は、もれなくカイジのように地下で強制労働させられるのか…といったらそうではない。
返還期限の猶予制度というものがあるということを、知っておいてほしい。
災害、傷病、経済困難、失業などの返還困難な事情が生じた場合は、一定期間返還期限を延期することができる。
この制度を知らず延滞している人も多く、万が一のために奨学金を利用している人は知っておくといい。
まとめ
今後、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の大学・専門学校への進学を考えている方へ。
「奨学金」という名前や、友人も利用しているからという理由で勘違いしてしまう人も多いが、返済義務があり利息もかかるという(第二種であれば)ことを理解しておいてほしい。
安部総理大臣は誰もが高等教育が受けられる仕組みをということで「給付型奨学金」の導入に向けて動いているが、果たして今後どうなるのか。
可能であれば、奨学金を借りるよりも、親というスポンサーに学費を肩代わりでもしてもらうことをオススメしたい。
参考図書
POST編集部(現役理学療法士、作業療法士)が養成校学生、高校生の1,000の質問から100に絞ってお答えしたQ&A本。業界の裏から表まで、全てを正直にお話しした、唯一の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士になりたい人のためのトリセツ。
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