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最終回:コンディショニングサロンの開業【Physio salon G'hands代表|理学療法士 比嘉 俊文先生】

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最終的に勉強会はいらない

 

ー 今は働きながら、沖縄にいろんな先生を呼んで活動をしていますが、なぜそういった活動をしているんですか?

 

比嘉先生 初めは、前述の勉強会「沖縄いちご会」が発端です。1年目から6年目まで毎月定例会で同期で症例発表をしたり、年に3、4回、県外から講師を呼んで講習会を主催運営していました。

 

 毎月のように県外に出て勉強会に参加するのは大変ですから、沖縄で勉強会をやるのが一つの価値だと思って最初はやっていました。ただ、沖縄は結婚や出産が比較的早く、それで同期がだんだん集まらなくなってきました。

 

最終的にはそれぞれの道で、それぞれがやりたいように楽しくやっていこう、というカタチで円満解散したのですが、沖縄での勉強会を続けてほしいという周囲の声があったので、今の「Updraft physio(アップドラフト フィジオ)」という勉強会を立ち上げました。

 

 

ただ僕自身は、実は最終的には勉強会はいらないと思っているんです。最初は講師の真似をして良くなる患者さんもいます。しかし、良くならない患者さんが現れると、また別の方法を探る。

 

これを繰り返していては、全く意味がありません。本来、勉強会は、有益な情報を自分の臨床に照らし合わせて熟考したりするためにあると思っています。

 

ベースは自分自身の臨床です。結局は、自分の手で患者さんから学ぶ以外にありません。それに気づくために勉強会ってあるのだと思います。「そういえば、あの時、あの先生が言ってたのはこういうことか!」と後から気付いたりすると、いいですよね。

 

ー 比嘉先生がこの先に考えていることは何かありますか?

 

比嘉先生 今年の5月から、自費のコンディショニングサロン「Physio salon G’hands」を起業しました。病院の保険医療制度で対応できていない長く不調に困っている方や、産科や脳神経外科で専門医の診察は問題ないと診断されながらも困っている方などを対象に、フィジカルコンディショニングとして、理学療法士として培った知識と技術を還元しています。

 

運動療法が万病の薬と言われますが、運動できないほど困っている方がたくさんいらっしゃいます。慢性的な痛みは認知行動療法が有効と言われておりますが、いろんな方がおり、万能な方法論は存在しないと思っています。

 

徒手療法は依存を産んでしまうと言った議論もありますが、実際、徒手的な介入をきっかけに運動療法に取り組める方も多くいます。運動療法が良いとか、徒手療法が悪いとかの問いはナンセンスで、その方が良い方向に向かっていくきっかけはどちらにも可能性があります。

 

その中で、その方の暮らしの妨げを理学療法士のスキルで取り除くお手伝いができれば、これほどやりがいのある仕事はないと思っています。

 

 

比嘉先生 理学療法士の企業は介護保険分野、産業分野、メディア、そして自費コンディショニングと、様々な形で起業している療法士が年々増えてきていますね。

 

 沖縄でもいろいろな方とお話ししていると、「将来、独立を目標にしている」という方によく出会います。独立が目的になるのは、少し違う気もしています。独立は手段であり、私の場合、「長く続く痛みを解決する」という目的のために、痛みの部位だけでなく、過去の既往も含めて全てチェックします。それは今の私では、保険内の時間制限がある中で実現することが困難だったため、十分な時間を取れる形を作る「手段」としてサロンを開きました。

 

さらに、「障害予防」を沖縄に普及させたいというのが最終目標です。健康長寿と名高かった沖縄は、県民寿命も低落し、健康寿命も低迷しているという事実があります。生命寿命と健康寿命のギャップを埋めるためには障害予防が不可欠です。

 

沖縄県民の皆さんに「障害予防」を意識してもらうためには、長く困っている不調を改善することをきっかけに、健康に目を向けてもらえるような、そんなきっかけの1つに当サロンがあればなぁと思っております。

 

ー オススメのテレビ番組や書籍はありますか?

 

比嘉先生 テレビだとプロフェッショナルと情熱大陸を好んで観ます。ドラマはほぼ観ないので、話についていけないことが多いですね。今は子どもとの時間を大切にしています。

 

ー 比嘉先生にとってのプロフェッショナルとは?

 

比嘉先生 自分のテーマを持ち、それに向かって進み続ける人。人の意見を聞ける柔軟さと、己の芯はブレずに進める強さを併せ持つ本当の強さを持つ人。だと思います。

 

 

【目次】

第一回:「沖縄いちご会」の結成

第二回:クリニックの立ち上げに参加

最終回:コンディショニングサロンの開業

 

比嘉先生のおすすめ書籍

起業家のように企業で働く
Posted with Amakuri at 2017.10.5
小杉 俊哉
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)

 

THE 整形内科
Posted with Amakuri at 2017.10.5
白石 吉彦, 白石 裕子, 皆川 洋至, 小林 只
南山堂

比嘉 俊文先生のプロフェイール

出身校

おもと会 沖縄リハビリテーション福祉学院 理学療法学科 卒業

職歴


沖縄リハビリテーションセンター病院

沖縄こどもとおとなの整形外科 アドバイザー

 

受賞歴


沖縄県理学療法士協会 優秀学術賞

履修研修


筋膜マニピュレーションレベル2修了
Discover physio 骨盤コース 下肢コース 修了
クラニオセイクラルセラピスト(頭蓋仙骨療法)
入谷式足底板 上級コース 修了

最終回:コンディショニングサロンの開業【Physio salon G'hands代表|理学療法士 比嘉 俊文先生】

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