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患者様からのメッセージ 〜脊髄損傷後の理学療法(PT)〜 no.1

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二度と歩けないんじゃないかと思った

POSTインタビュアー森田:木村さん(仮)のリハビリ歴を教えていただいてもいいですか?

木村さん: 最初は冬に車の運転中に交通事故でうしろから100㎞でつっこまれて、そのまま救急搬送されました。最初は脊髄振盪っていう診断がついたんだけど、搬送された時点で両下肢の感覚が全くなくて自分の足がついてるという感覚が全くないのと、あと食事とかも手のしびれで食べられなかったの。 1週間神経痛で全く寝れなくて、初めてリハビリを受けました。ずっと臥床していたのが離床したら血圧が下がって、ショックを起こしちゃって。それでなかなか立位までができなかったのがすごく悔しかったかな。リハビリ室の徐々に角度を上げていくベッド(ティルトテーブルのこと)で練習して。それから歩行訓練。歩行訓練も歩き始めると感覚がないのでそのままつぶれちゃう。そのときはもう戻れないんじゃないかと思った。2度と歩けないんじゃないかって。  

インタビュアー森田:リハビリはどうでした?

木村さん:最初のリハビリの人は職場の人(○○さんが当時勤務していた病院)で、自分の病院に運ばれちゃったんで、顔見知りっていうのもあるし、わがままが言えなかったの。言われるがままにリハビリを受けてた。 それからコルセットして退院して職場復帰して。でも下肢の感覚がないから仕事中に歩けなくなっちゃたりしてた。寒い時期だったせいもあったかな。それでそのままどんどん悪くなっていって。全然握力も測定できないくらい悪くて、車椅子も座位保持が出来ない、前に倒れちゃう。

全然筋力もなくなっている状態。食事も箸やスプーンが持てないし、もちろん立位も取れないので、家では這っていた。でもまた歩きたいって思いがあって希望がやっぱ強かったから、本格的に脊髄損傷のリハビリやってる病院に行こうと決心しました。でも、周りから「多分そこ入院したらリハビリ地獄だから生きていけないかもよ」って言われてたけどね(笑)
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地獄のリハビリ

木村さん:それで二度目の入院のリハビリがはじまったんだけど、もう大変。かなり先生が厳しくて、転んでも怪我しても自己責任。それは自分でやったことだから仕方ないって感じで、一切手を貸してくれないと言うのもあるし。

しんどかった。そこには4ヶ月いました。4ヶ月リハビリを受けて、もう絶対そこには二度と戻るもんかと思って(笑)患者さん同士でグループを組んでリハビリをして1日5時間リハビリをしてきつかったけど、なんとか歩けるようになって杖で歩いて退院しました。

インタビュアー森田:表情から大変さが伝わってきます。

木村さん: 本当大変だったんだから!!(笑)どんなこと言われても、自分で歩けるようになるまでは退院しないで頑張ろうと思ってたから。おかげで入院するときの目標だった歩いて帰るって目標は叶ったよリハビリの先生とは仲が悪くて毎日ケンカしてた(笑)

退院してからは、半年くらい他で外来リハビリをして、また職場復帰したのね。歩ける様にはなったけど杖だったし、長距離は無理だったから車椅子が家にあったし。やっぱり私としては、何もなしで歩きたかった。仕事はしばらく日勤で勤めていたんだけど、夜勤が始まると体調がまた崩れて。 夜、足の痺れが増えて、感覚が鈍くなってきたりとか、途中で歩けなくなって。仕事も車椅子使って患者さんの部屋に行ってちょっと歩いてって感じで大変だった。結局、夜勤がある病院は辞めることにしたんだけどやっぱり症状が段々ひどくなってきた。

インタビュアー森田:うちの病院(以下;A病院)にはどうして入院することになったんですか?

木村さん:動けなくて、救急車で運ばれたの。MRIをとった方が良いと言われて、紹介でMRIを取りに行ったらそこで動けなくなっちゃったの。搬送された。そこの病院の先生が、脊髄損傷の疑いっていう診断がついた。色々検査したけど検査的には異常がないからリハで回復みるかってなって、A病院に行くことになったの。

 

患者にとっていいセラピスト・悪いセラピスト

POSTインタビュアー森田:今までリハビリを色々受けてきて、木村さんにとっていいセラピストってどんなセラピストですか?

木村さん:いいセラピストは、一緒にゴールを考えてくれる人かな。患者さんが目指すゴールってあるじゃない?どこまでやりたいとか。そこまでできなくても納得がいくように一緒に中性しながら同じ方向に走れる人が良いセラピストかな。

インタビュアー森田:じゃあ、逆にこんなセラピストは嫌とかってあります?

木村さん: 逃げ出す人とか分からないことがあったら他人任せにする人かな。Drとか他の人に聞いてって言って最終的に自分で責任を取らない人。やっぱりコミュニケーションがうまくとれない感じがすると信頼もできないよね。

POSTインタビュアー森田:患者さんにとって、リハビリの制度でもっとこうだったらいいのにとかあります?

木村さん:希望したら担当の先生を変えてもらえたりするといいなーと思うよね。やっぱりリハビリの人って人によって考え方とか治療のやり方も全然違うじゃない?この先生の治療が良いから、こ の先生に診てほしいとかあるもの。まあー、難しいのは分かるけどね(笑)

POSTインタビュアー森田:確かに厳しいですね(汗)気持ちはとても分かります。

木村さん:たまにあったのが、その日のリハビリのスケジュールが急に変更になったりとか、そもそも何時か分からなかったり。なんか先生に迷惑かけちゃうって罪悪感が生まれて自由に動けなくなっちゃう。

実は、私の息子が今セラピスト目指して勉強しているんだけど、息子は患者さんだけじゃなくて家族もケアしたいって。それって私もすごくいいなって思う。結局本人だけケアしても退院後の自宅とか帰る場所によって協力を得なきゃいけない場合もあるからね。早期に家族とコンタクトをとって家族ぐるみのケアをしていきたいって言ってて、すごく大事なことだと思ってるよ。
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患者様からのメッセージ 〜脊髄損傷のリハビリ〜 は次回に続きます。お楽しみに!
患者様からのメッセージ 〜脊髄損傷後の理学療法(PT)〜 no.1

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