今年8月、東京女子医科大学は脳卒中既往のある患者の、脳卒中再発予防に適切な血圧管理目標が、130/80mmHg未満であると証明した。
▶脳卒中再発予防の⾎圧管理⽬標が 130/80mmHg 未満である事のエビデンス確⽴
今回の研究は、新小山市民病院院長の島田和幸院長を主任研究者として全国140施設が参加して実施し、2019年7月29日に東京女子医科大学脳神経内科学北川一夫教授を筆頭責任者として、JAMA Neurologyにオンライン掲載された。
研究対象として、当初の目標症例数は5000例、脳卒中イベント244件を目標に研究がスタートし、研究の途中で脳卒中の再発による月別登録症例数の減少や研究資金枯渇が伴ったが、最終的に1263例が解析対象となった。
追跡期間は、平均3.9年であり、91件の再発脳卒中がみられた。
研究方法は、RESPECT Study試験という脳卒中再発予防への厳格血圧管理の有効性、安全性を検証する臨床大規模試験を実施し、対象者を通常管理群と厳格管理群に分けて研究を開始した。
その結果、血圧は通常管理群が132.0/77.5mmHg、厳格管理群が123.7/72.8mmHgとなり、脳卒中再発率は通常管理群が年間2.26%、厳格管理群は1.65%であったため、厳格管理群で低下傾向であることが示された。
また、今回の研究結果を過去のSPS3研究を含む3つのRCT研究とメタ解析したところ、厳格な血圧管理は通常血圧管理に比較して22%有意に脳卒中再発予防を抑制することが明らかとなった。