成田先生の研修会情報はこちらをご覧ください。
>>https://1post.jp/3256【腰痛に対する評価とアプローチ】
成田崇矢先生 将来を不安に抱える状況として就職難が挙げられますが、一理あると思っています。以前、医師が中心の学会で発表た際、腰痛の保存療法は、内服とブロック注射についての内容のみで理学療法士がその選択肢に入っていないことに危機感を覚えました。最近、テレビ放送された腰痛治療では、その治療に臨床心理士の認知行動療法がクローズアップされ、理学療法士という言葉を聞けませんでした。
この様な状態が続くと、理学療法士は必要とされず、就職難な時代が来るかもしれません。このため、今からでも自分たちの専門性を世の中に広めていく活動が必要になると思います。
その中でも「機能を高められるという能力」は理学療法士の優れた能力だと考えています。この能力を発揮する事により、病気や怪我の後の第二次、第三次予防だけでなく第一次予防に対して力を発揮出来、職域の拡大につながると思います。
トレーナーと理学療法士は違う
成田崇矢先生 選手の復帰課程の中で、より医療現場で活躍するのは、理学療法士。スポーツ現場で活躍するのがトレーナーだと思います。それぞれストロングポイントが違います。
理学療法士のストロングポイントは、「痛みに対して即時効果を出すことができる」という点だと思います。痛みの即時的な除去は、スポーツ選手の大きなニードの1つだと思います。もう一つの強みは、病態をよく知っているということです。これをよく理解できていると、医療の中で、医師と一緒に仕事をすることができます。
特にスポーツ現場では、それが強みとなってくるケースが非常に多くの場面であります。病態を理解する事は、同時に「限界」を理解する事ができます。
例えば半月板損傷をした患者さんがいたとしましょう。その半月板を治すことは私たちにはできません。しかし、屈曲の最終域や回旋でストレスがかかるとわかればそれを回避させ、半月板の治癒を早めることは可能だと思います。
ATでなければ国際大会には帯同できない?
成田崇矢先生 それは“まだ”そうなっていません。国体や国際大会に帯同するトレーナーには、資格取得を呼びかけ、積極的に推薦しています。
今後は、日本代表に関わるトレーナーの質を担保するため、その様に変わっていく事は、予想出来ます。今の所、AT(アスレチックトレーナー)の資格を持っている直接的なメリットはありません。
ただ、この資格を持っていたことで人脈はかなり広がりました。あとは、基本的に理学療法士が活動するためには「医師の指示のもと」が基本になるため、理学療法士の資格だけでのスポーツ現場での活動は、グレーな部分もあります。
そこで、ATを持っていればATとしてのトレーナー活動が可能になると思います。
スポーツ理学療法士に執着していたわけではない
成田崇矢先生 よく「スポーツにいつから携わろうと思ったのか」と聞かれますが、実はあまり覚えていません笑。高校の同級生に言わせると、高校生の頃から言っていたそうですが、本当に覚えてないのであまり語れません。
ただ、群大(群馬大学)から初めて就職した上牧温泉病院へはスポーツ選手を診るために就職を決めました。
特別スポーツだけに執着していたわけではなかったですが、目の前の事を全力で行った結果、色々と依頼をいただくようになりました。それも人脈があってこそ繋がった縁だと今になって思います。
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※書籍では掲載できない、臨床の話をしていただいております。
成田崇矢先生経歴
[資格]
理学療法士
日本体育協会公認アスレティックトレーナー
JOC強化スタッフ(医・科学)
日本水泳連盟科学委員
日本水泳連盟飛込委員
日本水泳連盟医事委員
[学歴]
平成9年 3月 群馬大学 医療技術短期学部 理学療法学科 卒業
平成14年3月 群馬大学 医学部 保健学科 理学療法専攻 卒業
平成22年3月 筑波大学 人間総合科学研究科 博士前期課程 修了
平成25年3月 早稲田大学 スポーツ科学研究科 博士後期課程 修了
[職歴]
平成9年~平成12年 高徳会 上牧温泉病院
平成12年~平成20年 龍邦会 東前橋整形外科
平成20年 つくば国際大学医療保健学部理学療法学科 助手
[著書]