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足への意識でからだは変わる。【ヨガとリハビリテーション|堀川ゆき先生】

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 ヨガの「グランディング」とは?

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ヨガではポーズをとる時に、大地に近い土台となる身体の部位から見つめてポーズを修正していきます。大地に安定させることを、「グランディング」といいます。

パッドゥマ・アーサナ(蓮のポーズ)など座っているポーズの時は骨盤、特に坐骨をグランディングさせます。
そして、ブルクシャ・アーサナ(木のポーズ)やウッティタ・トゥーリコーナ・アーサナ(三角のポーズ)など、立っているポーズの時は、足裏をしっかりグランディングさせることが、ポーズを行う上で大切になります。
その足裏への意識がなかなか掴めない方が多いです。指先が床から浮いていたり、小指側に重心が傾いていたり、後方重心で踵だけで踏ん張っていたり…。

普段私達は靴や靴下を履く習慣があるので、足裏で直接大地に触れる機会はほとんどありません。ヨガは裸足になれる、とても貴重な時間です。足裏は、大地からの様々な情報や刺激を受け取る大切なセンサーです。そのセンサーを使わないと、どんどんセンサーは鈍感になっていきます。

その結果、躓きやすくなったり、ちょっとしたことでグラついたり、変な体重の乗せ方や歩き方になったり、痛みや違和感のメッセージに気付いてあげられなかったり。だからこそ、裸足で大地を感じる時間を持つことが大切なのです。その時間がヨガです。

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「足」の構造と働き

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足、つまり足首から下の部分は、趾骨(基節骨・中節骨・末節骨)が14本、中足骨が5本、足根骨が7個で、片足26個、両足で52個の骨で構成されています(種子骨を入れると+4個)。
身体全体に約206個の骨がありますが、足だけでなんと約4分の1を占めています。

歩行時の足の筋機能は、

①固定目的

②加速目的

③減速目的

の3つの主要な役割を持っています。正常歩行では、図のように足底圧の高い点を結ぶ線は、踵部中央から出発して、足底のやや外側に片寄って小趾球に達し、ここから内側に向かって母趾球を通り、母趾に抜ける軌跡を描いています。
遊脚相への移行時、5本の足趾で大地を蹴って前進する訳ですが、特にこの時、母趾がメインとなって、他の4本の足趾の合計の約2倍以上の強いパワーを発揮します。

このように本来、足趾のパワーが歩行時の重要な推進力となるはずが、足趾を使わずに歩行してしまってはいませんか?

 

「足」と向き合う

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ヨガはポーズを静止してキープする「静」的なエクササイズであり、歩行のような「動」的な動きは基本ありません。しかし、ポーズをキープする際の足裏や足趾の意識次第で、足裏のセンサーや足趾の機能は必ず活性化していきます。

グランディングについて前述しましたが、ヨガポーズを行う際、ヨガの生徒さんを見ていると、踵と母趾球での荷重は意識出来ていても、足趾、特に母趾で大地を捉える意識が苦手な方が多いです。

「足の指で大地を掴んで!」 と声かけすると、グッと足趾にパワーが入りやすいのがヨガスタジオの生徒さん。今ひとつパワーが発揮出来ないのが患者さん、といったところでしょうか。

今私が働いているクリニックでは、外反母趾など足に痛みを訴えている患者さんが多くいらっしゃいます。患者さんには私達理学療法士が、直接足に触れて徒手で治療して、足や足趾のROMとMMTの改善をはかります。外反母趾の原因や治療については次回お話します。

足の運動連鎖や歩行周期は、一言では話切れませんが、大切なことは、歩く時に足趾を使うこと、そして裸足になれるヨガの時間に、ご自分の足と向き合ってみて、足裏や足趾を意識してみることです。

足は全身の体重をダイレクトに受け止めるところです。歩行時は体重の約1.2倍、走行では体重の約2~3倍の負荷がかかります。だからこそ、今からしっかりコンディショニングしていきましょう。今日の歩行、そして足への意識が10年後の自分を作っていくのです。

【参考文献】

山口光國他「結果の出せる整形外科理学療法」メジカルビュー社,東京,2009

中村隆一他「基礎運動学」医歯薬出版,東京,2010

理学療法士が教える! ヨーガでゆがみを探して、調整する セルフ・メンテナンス・ワークブック

 

【バックナンバー】
▷タレント活動する理学療法士
▷女優から理学療法士へ
▷私が大学院に行く理由
▷ヨガとリハビリテーション −連載第1弾−

 

 堀川ゆき先生経歴

経歴                                                                            

1982年 滋賀県近江八幡市に生まれる。

2002年(20歳)上京して劇団青年座研究所に入所する。

2005年(23歳)テレビ朝日「秘湯ロマン」レポーターとして活動する(~2013年)。

2006年(24歳)単身ニューヨークに3ヶ月間渡り、Michael Gilbert、Debellis Nixa、Horowitz Carlの指導のもと全米ヨガアライアンス認定ヨガインストラクター資格を取得。ニューヨーク中のヨガスタジオを訪れ、約200コマの様々なヨガクラスを受講してまわり、ニューヨークのヨガスタイルに深く影響を受ける。帰国後ヨガインストラクターとして活動。ヨガの聖地インドのリシケシのヨガニケタンアシュラムや、スウェーデン、ドイツ、デンマーク、タイなど各国を旅して現地のヨガを体験する。

2008年(26歳)アンダーザライトヨガスクールにて受付業務を担当する。

2010年(27歳)フィットネスクラブ ウラクアオヤマにてヨガを中心としたレッスンを担当。同時に2011年より自身主宰の都内のスタジオで完全紹介制パーソナルレッスンを開始。ヨガ・マットピラティス・ペアマッサージストレッチを組み合わせたオリジナルのレッスンを行う。

2015年(32歳)都内整形外科にて理学療法士として勤務する。

学歴

2013年(30歳) 日本大学文理学部英文学科卒業

2014年(31歳) 東京メディカルスポーツ専門学校理学療法士科卒業

2015年(32歳) 慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科スポーツマネジメント専修卒業

           慶應義塾大学大学院医学研究科眼科学教室博士課程入学

学位                                             

健康マネジメント修士

所属

慶應義塾大学大学院医学研究科眼科学教室 博士課程            

資格・免許                                                                                      

・理学療法士

・全米ヨガアライアンス200(ニューヨークヨガスタジオTeacher Training Course修了)

・特殊小型船舶免許

・文部科学省認定 色彩検定2級

・京都府洋裁学校正教員資格

所属学会                                            

・公益社団法人日本理学療法士協会

・日本抗加齢医学会

・日本スポーツ産業学会

社会的活動                                            

2011年(28歳)いわき市社会福祉協議会災害支援ボランティアセンター ボランティア

出演・掲載など

2005年 テレビ朝日「秘湯ロマン」レギュラーレポーター出演

2008年 日本文芸社「荷風!」都電のある風景 レギュラーモデル出演

2010年 iPhone& iPadアプリ「堀川ゆき インド・リシケシ・ヨガの旅」ヨガポーズ写真集発売

2015年 日本スポーツ産業学会第24回大会号掲載「メンズヨガ ―男性のヨガに対するイメージとヨガセッション後の変化―」他

 

足への意識でからだは変わる。【ヨガとリハビリテーション|堀川ゆき先生】

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