変形性膝関節症の分類とリハビリテーションプロトコール

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【全4回シリーズ】変形性膝関節症▶︎https://knee-oa3.peatix.com/

第1章: 変形性膝関節症とは

変形性膝関節症(以下:OsteoArthritis)は、膝関節の軟骨(硝子軟骨)の劣化や変形によって引き起こされる慢性的な関節疾患です。通常、加齢や関節の過度の使用などが原因で進行します。以下に膝OAの定義と概要、および一般的な症状と原因を説明します。

膝OAの定義と概要

膝OAは、膝関節の軟骨組織の損傷や変形、および関連する症状を特徴とする慢性的な疾患です。軟骨は、関節内で骨同士が摩擦せずに滑らかな動きをするためのクッションの役割を果たしています。膝OAでは、この軟骨が劣化し、変形や炎症が生じます。

症状:

・膝OAの主な症状は、膝関節周辺での痛みです。この痛みは通常、活動時に増強し、休息や睡眠中には緩和します。

・膝の可動域が制限され、関節の運動が困難になる場合があります。

・膝関節が腫れたり、熱感を伴ったりすることもあります。

・痛みや機能障害によって日常生活の活動や歩行が制約される場合があります。

原因:

・膝OA(原発性)の主な原因は、膝関節の組織への加齢による自然な劣化です。加齢に伴い、軟骨は摩耗し、修復能力が低下します。

・過度の関節の使用や過剰な負荷も、軟骨組織の劣化を促進する可能性があります。例えば、長時間のスポーツ活動や肥満は関節に大きな負担をかけることがあります。

・遺伝的な要素や関節の形態的な異常も変形性膝関節症のリスクを高める要素として考えられています。

・関節の外傷や怪我があった場合、軟骨組織が損傷し膝OA(続発性)の発症リスクが高まることもあります(関節リウマチ=rheumatoid arthritis: RAもこれにあたります)。

段階的に進行することがあります。初期の段階では軟骨の一部が劣化し、炎症が生じます。進行すると、軟骨がすり減り、変形や骨棘(骨の突起)が形成されることがあります。これによって関節の可動域が制限され、痛みや機能障害が増強します。リスク因子には、以下のような要素が含まれます。

加齢: 年齢が上がるにつれて軟骨の劣化が進み、変形性膝関節症のリスクが増加します。

性別: 女性は男性に比べて変形性膝関節症の発症リスクが高いとされています。

遺伝的要素: 関節の形状や軟骨の品質は遺伝的に影響を受けるため、家族歴に変形性膝関節症がある場合、リスクが高まる可能性があります。

過度の関節使用: 長時間のスポーツ活動や重労働による関節への負荷が過度にかかると、変形性膝関節症のリスクが高まります。

肥満(BMI25以上): 過体重や肥満は関節に負荷をかけ、軟骨の劣化を促進することがあります。

疫学

X線所見が確認s慣れる全ての人に症状が誘発されるわけではありません。膝OAのX線所見のある患者のうち、症状があったのは15%のみだったという報告があります1)3)

・60歳以上の女性の約13%と男性の10%が症候性の膝OAを患っています1)

・70歳以上では有病率は40%にものぼります1)

第2章: Kellgren-Lawrence分類(K-L分類)とは

膝OAにおいて、K-L分類は一般的に使用される分類方法の一つです。K-L分類は、膝関節の変形と関節軟骨の劣化の程度に基づいて、変形性膝関節症を4つのステージ(0から4)に分類します。以下にK-L分類の各ステージとその特徴を説明します。

*Grade2から変形性膝関節症と診断される。

ステージ0(正常な膝関節):関節内の異常や変形はなく、症状や機能の制限もありません。

ステージ1(疑わしい膝関節):関節軟骨に微細な変化が見られる場合で、通常は症状は軽微です。関節の一部で軽度の骨棘(骨の突起)が形成されることがあります。

ステージ2(軽度の膝OA):関節軟骨の劣化が進み、関節スペースが狭まります。骨棘が形成され、軽度の関節炎や痛みが現れることがあります。関節可動域にわずかな制限が現れることがあります。

ステージ3(中等度の膝OA):関節軟骨の劣化が進行し、関節スペースがより狭くなります。痛みや不快感が増し、日常生活の機能に制限が現れます。
関節可動域がさらに制限されることがあります。

ステージ4(重度の膝OA):関節軟骨の劣化が最も進行し、関節スペースが著しく狭まります。重度の痛み、機能の制限、および日常生活の困難が現れます。関節可動域が大幅に制限されることがあります。骨棘が大きく形成されることがあります。

K-L分類は、膝OAの進行度を一般的に評価するために使用されますが、もっと具体的な状態を評価するために、K-L分類にはさらに詳細な情報が追加されることもあります。これには、症状の程度、関節可動域の制限、関節炎の程度、X線やMRIなどの画像検査結果などが含まれます。

その他の分類

K-L分類以外にも変形性膝関節症の分類方法はいくつか存在します。以下にいくつかの代表的な分類方法を挙げます。

アメリカリウマチ学会(American College of Rheumatology)分類基準:この分類基準では、関節痛や炎症の症状に加えて、関節の変形やX線像に基づいて変形性膝関節症を分類します。

Ahlbäck分類:この分類は、膝関節の変形の程度と内側半月板(内側の膝の軟骨)の損傷に基づいて変形性膝関節症を分類します。ステージ0からステージ4までの5つのステージがあります。

これらの分類方法は、関節変形や軟骨の劣化の程度、症状の重さなどを総合的に評価するために使用されます。

第3章: K-L分類に基づいたリハビリテーションプロトコール

以下に、一般的なK-L分類に基づくリハビリテーションを示しますが、個々の患者の状態に合わせて調整されることが重要です。医師やリハビリテーション専門家と相談しながら行ってください。

grade1および2:

痛み管理: 痛みや炎症の軽減を目的とした方法を採用します。これには、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用や氷の応用などが含まれます。

関節可動域の維持:関節の可動域を維持するためのストレッチングや範囲運動を行います。

筋力トレーニング:膝周りの筋肉の強化を目的としたエクササイズを行います。これには、膝伸展筋(四頭筋)と膝屈筋(ハムストリングスや腸脛筋)のトレーニングが含まれます。

バランスと姿勢の改善:バランスと姿勢を改善するためのエクササイズを行います。これには、片足立ちやバランスボードの利用などが含まれます。

grade3および4:

痛み管理:痛みの緩和のための方法が重要です。医師の指示に基づき、適切な薬物療法や物理療法を行います。

非負荷運動:関節への負荷を最小限に抑えるためのエクササイズが重要です。水中運動や自転車などの非負荷の運動を取り入れます。

筋力トレーニング:関節の安定性を高めるため、膝周りの筋肉の強化を行います。これには、低負荷での筋力トレーニングや抵抗バンドを使用したエクササイズが含まれます。

機能トレーニング:日常生活の機能を改善するためのトレーニングが行われます。これには、階段の昇降や地面からの立ち上がりなど、具体的な動作の訓練が含まれます。

支援具の使用:歩行補助具や膝関節装具などの支援具が必要な場合があります。リハビリテーション専門家が適切な支援具の使用法を指導します。

体重管理:変形性膝関節症では、体重の管理が重要です。過体重や肥満の場合、減量を目指し、食事療法や適度な運動を取り入れます。

教育と自己管理:患者とその家族に対して、病態やリハビリテーションの目標、適切な動作や姿勢の維持方法などを教育します。自己管理スキルの向上を図り、日常生活での関節の保護と症状の管理を行います。

参考文献

<引用>

1)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK507884/

2)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2841860/

3)https://www.thelancet.com/journals/eclinm/article/PIIS2589-5370(20)30331-X/fulltext

<参考>

・https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK525040/

・https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2933126/

・https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1754382/

・https://www.oarsijournal.com/article/S1063-4584(20)31176-6/fulltext

【目次】

第一回:変形性膝関節症の分類とリハビリテーションプロトコール

第二回:変形性膝関節症患者における運動療法の重要性

第三回:変形性膝関節症における痛みのメカニズムと理学療法

【全4回シリーズ】変形性膝関節症 〜慢性期における屈曲制限の解剖と運動療法〜

膝痛専門のパーソナルトレーニングジムSOUND BODYは東京都羽村市という立地ながら、予約現在3ヶ月待ちの状態が続いています。今回のセミナーでは、このジムの代表であり理学療法士の福山先生をお呼びし、予約3ヶ月待ちの大人気パーソナルトレーニングで行われている膝関節に対する系統的アプローチ方法を全4回シリーズでお送りします。

※今回の募集は第3回目の単発受講と全4回シリーズのまとめチケットのみを販売しています。各回の単発受講は、遅くても開催月の1ヶ月前には募集を開始いたします。

第1回 6月29日(木)21時~終了しました

第2回 8月31日 21時~終了しました

*これ以降のまとめ払いの場合、第1、2回目はアーカイブ配信のみとなります。

第3回 10月26日 21時~

【変形性膝関節症〜慢性期における屈曲制限の解剖と運動療法〜】

<学べること>
この講座では膝関節屈曲制限に対する因子、解剖学、評価と治療を学びます。膝関節の屈曲は日常生活に多々ある動作です。
階段昇降、正座、しゃがみ動作こららの動作を制限されるということは生活そのものが制限されるということになります。

<プログラム>
・屈曲制限因子と姿勢制御
・エコー診断
・解剖学
・評価と治療

お申し込み▶︎https://knee-oa3.peatix.com/

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変形性膝関節症の分類とリハビリテーションプロトコール
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