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疼痛評価としての言語表現~どこまで「使える」?~

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疼痛の質の評価に患者の言語表現を用いることがあると思います。

週の真ん中水曜日の江原です。

前回MPQ (McGill Pain Questionnaire)をご紹介しました。疼痛の質の言語表現を用いた興味深い質問紙ですが、より簡便なSF-MPQや、SF–MPQ–2へと定量的な側面が強くなった形へと変化しています。

しかし、疼痛診療の痛みの評価のおいて、疼痛の質を言語的に聴取する取り組みは現在の臨床でも通常に行われており、患者の痛みを理解するために重要な要素があるとだと考えます。

痛みの評価における表現:疼痛の質と質問紙

痛みは主観的なものであるため客観的評価が困難と言われていますが、ここまでご紹介した質問紙などで数値化することは可能です。しかし様々な要因が痛みの原因に関わるため、単一の評価で原因がわかることは慢性疼痛の場合は稀であると考えます。

多面的に疼痛評価を行うことで治療の選択を実施し、リハビリテーション上の問題点を推測し、疼痛の予後予測を行い、効果判定をすることが可能になります。

痛みの評価では、

痛みの強度の評価

疾患特異的日常生活動作の評価

痛みの性質

心理的要因の評価

の4つを基本の評価とし,疾患や症例の状態に応じて必要な評価を追加していくことが推奨されています1)

また選択されるべき評価方法としては、短くて効率がよく、利用できる情報を最大限集めることができるような測定方法が適している2)と言われています。情報を得たいがため、多くの質問紙を用いる場合もありますが、対象患者の状況や施設の特性によっては検討する必要があります。

言語的表現がメインになると考えられる疼痛の質の評価では、疼痛の性質から判断し特定の治療を行うことで成果を得られたとする報告があります。

幻肢痛や脊髄損傷後疼痛などの神経障害性疼痛に対するミラーセラピーの効果では、体の深いところに感じる固有感覚の痛みには効果的であり、表面的な皮膚受容感覚の痛みでは効果が認められませんでした3)

CRPS患者でも同様の傾向を感じる時があります。疼痛の質について質問した時に「奥の方の鈍い痛み」「重たい痛み」の場合は、改善を期待して身体イメージを意識した介入法を取り入れたりしますが、表面面的な痛みを想像するような表現(ビリビリなど)をされたときは、医師に報告し治療を検討しながらリハビリを行うようにしています。

疼痛評価としての言語表現~どこまで「使える」?~

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