理学療法士出身の市長誕生、参院厚労委員長への就任、そして参院選での全員落選──2025年は「リハ職と政治」の距離がかつてなく縮まり、同時にその壁の厚さも痛感させられた一年でした。年末には令和8年度診療報酬改定が本体+3.09%で決着し、リハ職を含む賃上げ3.2%が明記。「私たちは置いていかれるのか」という国会での訴えから始まった処遇改善の議論は、リハ3団体の緊急記者会見、リハ議連の「給与倍増」要望へとつながりました。制度と現場が大きく動いた12カ月を、月別ランキングとともに振り返ります。
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1月の話題記事
カッパ整体グループCEO遠藤敦盛が語る、カッパ整体誕生秘話!
理学療法士でありカッパ整体グループCEOを務める遠藤敦盛氏のインタビューが1月の最注目記事となりました。家庭の経済的困難を乗り越え、病院勤務から独立。自宅の一室で始めた整体院を急成長させた経営哲学が、多くの読者の心をつかみました。2位には小川克巳氏(理学療法士)の参議院議員繰り上げ当選のニュースがランクイン。年始から政治参加への関心が高まる一年を予感させました。
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2月の話題記事
PT協会役員候補者選挙はじまる
理学療法士協会の2025年度役員候補者選挙が開始。理事定数23名に対し43名が立候補し、代議員300名による選挙が行われました。協会運営の方向性を左右する選挙に、会員の関心が集中。4月の会長選挙へとつながる重要な動きとして注目されました。
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3月の話題記事
訪問看護ステーションの指導監査の見直しが議論──中医協 総会(第605回)
中医協での指導監査のあり方をめぐる議論が最多の閲覧数を記録。訪問看護ステーションへの監査体制が焦点となり、療法士にとっても無関係ではない制度議論として注目を集めました。
2位・5位には田中まさし議員(理学療法士)による国会質疑がランクイン。「私たちは置いていかれるのか」という訴えがSNSでも拡散され、リハ職の処遇改善を求める声が高まりました。3位の春闘記事では、全国各地で医療・介護従事者によるストライキが実施されたことを報じています。
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4月の話題記事
【速報】理学療法士出身の穂積昌信氏が太田市長に初当選 30年ぶりの市政交代実現
群馬県太田市で30年ぶりの市政交代が実現し、理学療法士として臨床と行政の両面で活動してきた穂積昌信氏が新市長に就任。リハ職出身の首長誕生は、専門職のキャリアの多様性を象徴する出来事となりました。
同月、PT協会の会長選挙結果も発表され、協会内選挙への関心が持続。富山市長選への染谷明子氏(理学療法士)の立候補も話題となり、4月は「リハ職と政治」が大きなテーマとなった月でした。
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5月の話題記事
訪問看護・リハ車両の駐車許可制度が明確化|2025年7月から全国統一運用へ
訪問看護・訪問リハビリで使用する車両の駐車許可制度が全国統一運用されることが決定。7月からの本格実施に向け、現場から歓迎の声が多く寄せられました。2位には回復期リハ病棟への経過措置終了の影響を報じた記事がランクイン。制度対応に追われる現場の姿が浮き彫りになりました。
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6月の話題記事
要介護認定、15年ぶり大規模見直しへ 在宅介護の実態反映目指す
要介護認定制度が15年ぶりに大規模見直しへ。在宅生活の多様な実態が認定に反映される方向性が示され、介護現場を支える職種から広く関心が寄せられました。訪問看護STからのリハビリが生活機能向上連携加算の対象に加わる方針も発表され、制度の隙間が埋まった形となりました。
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7月の話題記事
【参院選2025】リハビリ専門職5名、議席獲得が困難
注目の参議院選挙で、リハ職候補5名はいずれも議席獲得に届かず。政治の壁の厚さと、専門職が国政に進出するための課題が浮き彫りになりました。
2位には日本作業療法士協会初代会長・鈴木明子先生のご逝去が入りました。作業療法の発展に生涯をかけた功績に、多くの読者が哀悼の意を表しました。
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8月の話題記事
リハ関連の指摘が頻出|厚労省が指導・監査結果を公表
厚労省による2023年度の指導・監査結果が公表され、リハビリに関連する指摘が多数含まれていたことが明らかに。届出の不備や記録管理に関する指摘が目立ち、制度遵守の重要性があらためて問われました。
令和8年度診療報酬改定に向けた議論も本格スタート。医療現場の苦境に対し、厚労省審議会の委員からも危機感が表明されました。
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9月の話題記事
「地域医療崩壊の危機」診療報酬10%超引き上げを|病院団体が緊急要望
全国の病院団体が次期診療報酬改定に向けて「10%以上の引き上げ」を求める異例の緊急要望を提出。物価高騰、人手不足、光熱費上昇を背景に「制度維持の限界」が訴えられました。中医協では「質の高いリハ」の評価方法をめぐる議論が進み、診療報酬の根幹に関わる動きが注目されました。
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10月の話題記事
理学療法士の小川克巳氏、参院厚労委員長に就任
理学療法士出身の小川克巳氏が参議院厚生労働委員長に就任。職能団体の代表が国政の要職に就くのは異例であり、リハ職の知見がどう政策に反映されるか期待が集まりました。
高市新総裁による「報酬改定を待てない」発言や、PT養成校の定員割れといった人材不足の課題も大きく報じられた月でした。
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11月の話題記事
回復期リハ病棟の重症基準をどう見直すか ― FIM20点以下患者の扱いとリハ実績指数を巡る議論
回復期リハ病棟の重症患者基準(FIM20点以下)の見直しをめぐり、中医協で議論が進展。「誰を回復期に受け入れるのか」「実績指数で何を測るのか」という制度設計の根幹に関わる議論が、多くの関心を集めました。
PTの賃上げと疾患別リハ料10%引き上げを求める緊急要望も提出され、診療報酬改定を前に"改定前夜"の動きが活発化しました。
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12月の話題記事
R8年度診療報酬改定、基本方針が概ね固まる──現役世代の負担抑制と賃上げの両立が焦点に
厚生労働省が2026年度(令和8年度)診療報酬改定の基本方針案を概ね了承。「賃上げ・人材確保」の重要性が謳われる一方で、現役世代の保険料負担抑制も明記され、相反する課題の両立が焦点となりました。
リハビリテーション関連では「発症早期からのリハ介入の推進」「土日祝日のリハ実施体制の充実」が具体的方向性として盛り込まれ、異論なく原案通り通過。2026年改定に向けた道筋が示された重要な月となりました。
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2025年を振り返って
2025年は、リハビリテーション専門職にとって「政治」と「制度」がこれほど身近に感じられた年はなかったかもしれません。
穂積昌信氏の太田市長当選、小川克巳氏の参院厚労委員長就任という明るいニュースがあった一方で、参議院選挙ではリハ職候補5名全員が議席獲得に届かず、国政進出の難しさも痛感させられました。田中まさし議員の「私たちは置いていかれるのか」という国会での訴えは、処遇改善を求める現場の声を代弁し、大きな反響を呼びました。
制度面では、令和8年度診療報酬改定に向けた議論が本格化。病院団体による「10%引き上げ」の緊急要望や、回復期リハ病棟の重症基準見直し、要介護認定の15年ぶり大規模改定など、来年以降の現場に直結する動きが相次ぎました。12月には基本方針が概ね固まり、「発症早期からのリハ介入」「土日祝日のリハ実施体制充実」が具体的方向性として明記されています。
忘れてはならないのは、日本作業療法士協会初代会長・鈴木明子先生のご逝去です。作業療法の礎を築いた先人への感謝とともに、私たちが次の世代に何を残せるかを考えさせられました。
2025年は、専門職として「どう働くか」だけでなく「どう社会に関わるか」が問われた一年だったと言えます。厳しい制度環境の中でも、現場で奮闘する皆さまの声がPOSTに届き、記事として形になりました。
2026年の診療報酬改定がいよいよ本番を迎えます。制度が変わる時こそ、現場の知恵と声が力を持つ時です。来年もリハビリテーションの未来を共に見つめ、この業界の発展に貢献できる情報をお届けしてまいります。
読者の皆さま、2025年もPOSTをご愛読いただきありがとうございました。2026年がさらなる飛躍の年となりますように。






