27日社会保障審議会・介護給付費分科会にて第2ラウンドの議論が開始。今回は科学的介護を目指す「LIFE」に焦点を絞ってお伝えします。
介護施設と事業所がLIFEデータベースにリハビリや栄養・介入などのデータを提出し、これが集計・解析されるシステムが、介護サービスの質向上を目指しています。データ解析結果は各施設・事業所にフィードバックされ、サービス改善に役立てられます。また、LIFEへのデータ提出は、加算要件にもなっており、報酬面からの取り組み促進も図られています。
現在、データ入力の負担やフィードバック内容の確認が難しいといった課題が指摘されています。これに対し、厚生労働省は2024年度の介護報酬改定で、入力項目の見直しやフィードバック内容の充実を図ることを計画しています。具体的には、入力項目の明確化、新たな項目の追加、データ提出頻度の統一、初回データ提出における猶予期間の設定、フィードバック内容の詳細化などが挙げられています。
訪問系サービスへのLIFE導入やフィードバックの実務面の改善に関しては、引き続き検討が進められることになります。専門家からは、訪問系サービスへのLIFE導入の重要性や、フィードバックの手間を軽減するための改善が求められています。これらの意見は今後の検討過程で参考にされる見込みです。
またLIFEへのデータ提出が要件となっている加算について、アウトカム評価を重視した介護報酬の加算改定が提案されています。この改定は、「利用者の状態改善に資する内容」に焦点を当てており、各加算項目の見直しが行われる予定です。
提案されている主な改定点は以下の通りです:
褥瘡マネジメント加算:褥瘡の発生予防だけでなく、サービス開始後の褥瘡治癒も新たな評価基準として導入。
排せつ支援加算:排せつ状態の改善だけでなく、尿道カテーテルの使用有無も評価対象に含める。
ADL維持等加算:ADL改善度合いのカットオフ値の見直しと、要件の簡素化を検討。クリームスキミング(特定の利用者のみを選別すること)の防止にも注目。
自立支援促進加算:個別ケア計画の立案に重点を置き、LIFEデータベースへの入力項目の有用性や負担感を考慮した見直し。
これらの改定は、LIFEデータベースを利用し、客観的なデータに基づいたケアの提供とその評価を促進することを目的としています。ただし、ADL維持等加算のカットオフ値引き上げに関しては、現場の意欲減退や生活期リハビリの目的との整合性を考慮すべきとの意見も出ています。また、褥瘡マネジメント加算においては、看取り期の利用者を計算から除外する提案もあります。これらの意見を反映させ、今後詳細を詰めることになるでしょう。
▶︎https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36519.html
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