昨年、このようなニュースが飛び込んできました。明日は我が身と気になった方もいるのではないでしょうか。療法士の感覚からすると、リハビリのために患者の身体に触れることは日常的でほとんど抵抗感はありません。しかし、この当たり前の感覚に潜む危険性が今回のニュースで明らかになりました。セクハラで訴えられないためにはどのようなことに気をつければいいのでしょうか。
以下に、セクハラに該当しそうな場面をピックアップしました。※当社調べ
・股関節の可動域拡大のために鼠径部を触れる。
・肩関節の可動域拡大のために胸部を触れる。
これらは誰しもが想像しやすいため、異性に対して施術する場合は一言断りを入れ慎重に実施する方が多いのではないでしょうか。
・膝関節屈曲の可動域拡大のために、膝蓋骨周囲を緩める手技
→膝まわりを繰り返し撫でられた。
・椎間関節のモビライゼーションなど脊柱に触れる手技
→ブラジャーのホック付近を繰り返し触れられた。
・体幹のトレーニングで四つ這いの肢位(cat&dogなど)を取らせる
→お尻を突き出す姿勢を強要された。
「これぐらいのことは断りも入れずにやっちゃいますよ」という方もいるのではないでしょうか。しかし、相手の受け取り方次第では、何でここを触る必要があるの?なぜこの姿勢?と知らないうちに不信感を募らせている可能性があるのです。
セクハラによる認識の不一致を防ぐには、同性での担当制を敷くことが一番です。しかし、施設によっては人手不足などで叶わないことが多いかと思います。“どの施設で”“誰であろうと”明日からすぐに実践できる方法は、『インフォームドコンセント』の徹底です。
つまり、「このような目的、効果を狙ってこの方法で実施します」と医療従事者として当然の責務である丁寧な説明と同意を果たすことができていることです。
「リハビリはラポール形成が出来てからスタートだ!」と学生時代や新人時代に口酸っぱく言われてきたことでしょう。初心に立ち返って慢心せずに、患者との信頼関係の構築を見つめ直していきましょう。
近年、コミュニケーション不足の療法士が増えているという話もよく耳にします。患者と確実に信頼関係を築き二人三脚で歩みを進められる者だけが、AIやロボットに負けない療法士として生き残っていくのではないでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございます。
株式会社EMIAS
リハビリセンターsmile-スミレ-
訪問看護リハステーションspito-スピット-
アロマケア研究会地域事業部
ウーマンズヘルスケア研究会