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【厚生労働省】令和3年度介護報酬改定案(通所リハビリテーション4)

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令和3年度介護報酬改定の主な事項について1月18日、第199回社会保障審議会介護給付費分科会にて発表された。
シリーズ第12回目の記事となる今回は通所リハビリテーション(以下通所リハ)の加算部分していきたい。

【本日の目次】

・各加算の実態と改定による変化を把握する

①    入浴介助加算
② 口腔・栄養関連の加算
 

・改定ポイントの整理

入浴介助の取り組みの強化

【入浴介助加算】
通所リハの入浴における加算取得等の実態を把握したい

(入浴介助加算の算定率※)事業所ベース:75.2% 回数ベース:60.0%
(単位数に関する課題)入浴に要する利用者の能力によらず一律
(計画に関する課題)要介護1〜2の30%以上、要介護3〜5の40%以上の利用者で課題として入浴が上がっている。
(計画の優先度)入浴が最も高い日常生活上の課題として上がっている割合は、全利用者をみても0.8%となっている。

※ 算定率
(事業所ベース):各加算算定事業所数/通所リハ算定事業所数(令和元年10月分)
(回数・日数ベース):各加算算定回数・日数/通所リハ算定総回数(介護給付費実態統計(月報・第10表/令和元年年11月サービス提供分))

※社保審-介護給付費分科会 第180回(R2.7.20) 資料3
※社保審-介護給付費分科会 第141回(H29.6.21) 参考資料4

<改定前>
入浴介助加算50単位/日

<改定後>
入浴介助加算(Ⅰ) 40単位/日
入浴介助加算(Ⅱ) 60単位/日(新設) ※(Ⅰ)と(Ⅱ)は併算定不可

算定要件等
<入浴介助加算(Ⅰ)>(現行の入浴介助加算と同要件)
○ 入浴介助を適切に行うことができる人員及び設備を有して、入浴介助を行う。
<入浴介助加算(Ⅱ)>(上記の要件に加えて)
医師等が当該利用者の居宅を訪問し、浴室における当該利用者の動作及び浴室の環境を評価していること。
この際、当該利用者の居宅の浴室が、当該利用者自身又は家族等の介助により入浴を行うことが難しい環境にある場合は、
訪問した医師等が、介護支援専門員・福祉用具専門相談員と連携し、福祉用具の貸与・購入・住宅改修等の浴室の環境整備に係る助言を行うこと。
○ 当該事業所の理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が、医師との連携の下で、当該利用者の身体の状況や訪問により把握した当該利用者の居宅の浴室の環境等を踏まえた個別の入浴計画を作成すること。
○ 上記の入浴計画に基づき、個浴その他の利用者の居宅の状況に近い環境にて、入浴介助を行うこと。

口腔・栄養関連の加算

・口腔衛生管理や栄養ケア・マネジメントの強化

通所リハの口腔・栄養ケアにおける実態を把握したい※算定要件等は通所介護5と同様のため未記載


【口腔機能向上加算】
(口腔機能向上加算の算定率※)事業所ベース:15.7% 

【栄養関連】
(栄養改善加算の算定率※)事業所ベース:3.1%
(栄養スクリーニング加算の算定率※)事業所ベース:6.8%
 

①    栄養スクリーニング加算

【単位数】
<現行> 
栄養スクリーニング加算5単位/回

<改定後>
口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅰ)20単位/回(新設)
口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅱ)5単位/回(新設)(※6月に1回を限度)

②口腔機能向上加算

【単位数】
<現行> 
口腔機能向上加算150単位/回

<改定後>
口腔機能向上加算(Ⅰ) 150単位/回(現行の口腔機能向上加算と同様)
口腔機能向上加算(Ⅱ) 160単位/回(新設)(※原則3月以内、月2回を限度)
(※(Ⅰ)と(Ⅱ)は併算定不可)

③    栄養改善加算

【単位数】
<現行> 
栄養改善加算150単位/回

<改定後>
栄養アセスメント加算50単位/月(新設)
栄養改善加算200単位/回(※原則3月以内、月2回を限度)
 



以上が通所リハに係る入浴加算・口腔・栄養関連の改定概要となる。

入浴介助加算において大切な部分は、

【入浴介助加算Ⅱが新設された意図をどのように受け取るか?】

ではないだろうか。

通所介護同様、自立に資する目的的な入浴の介助が行われている場合は評価される仕組みへ切り替わっている。

利用者の計画に関する課題として30〜40%の利用者が入浴の項目を上げているにも関わらず、実際には優先度が低くなっている実態、
単位数上の課題双方を解決するための手立てとして、本改訂があったといえる。

共通の事項として繰り返しにはなるが、直接的な訓練以外に入浴の自立度向上に資する取り組みができないか?

やはり考えていきたいところである。
 

口腔・栄養に関連した加算についても、通所介護同様

外部との連携を強化して口腔・栄養のアセスメントを強化し、肺炎等のリスクも低減できうるような介入が求められていくといえる。

 

【目次】

第一回:令和3年度介護報酬改定案(概要サマリー)

第二回:令和3年度介護報酬改定案(訪問看護)

第三回:令和3年度介護報酬改定案(訪問リハビリテーション)

第四回:令和3年度介護報酬改定案(通所介護1)

第五回:令和3年度介護報酬改定案(通所介護2)

第六回:令和3年度介護報酬改定案(通所介護3)

第七回:令和3年度介護報酬改定案(通所介護4)

第八回:令和3年度介護報酬改定案(通所介護5)

第九回:令和3年度介護報酬改定案(通所リハビリテーション1)

第十回:令和3年度介護報酬改定案(通所リハビリテーション2)

第十一回:令和3年度介護報酬改定案(通所介護3)

第十二回:令和3年度介護報酬改定案(通所リハビリテーション4)

【厚生労働省】令和3年度介護報酬改定案(通所リハビリテーション4)

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