作業療法士(OT)杉長彬先生 -精神科における依存の問題-最終回

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鬱の人はお酒を飲んで次の日に後悔して落ち込んでる人と近い

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杉長先生:そんなに特殊なことじゃなくって、鬱の人はお酒を飲んでテンション上がって、次の日に後悔して落ち込んでる人と近い感じがします。だから、特別なものだって思うよりは、自分たちが落ち込んだり、考えがまとまらなかったり、細かいことが気になってイジイジしたりとか、そういうものが社会生活を送れない程度までいってしまった人達だと思ってます。

インタビュアー:どっちかというと、OTとかPTみたいに治すっていうよりも気付かせる手伝いをするとか促すっていう感じですね。

杉長先生:そうですね。あまり治すみたいにすると、依存関係みたいになってしまって社会に出て行けなくなってしまうので。本当は何もしないで治っていくのが一番いいんですけどね。

インタビュアー:依存してしまうんですかね?依存っていうイメージがあまり…

杉長先生:例えば、担当の職員が異動したり、退職したりすると、体調が悪くなったりとかありますよ。

インタビュアー:あなたがいないとダメですよみたいな感じですか?関わりすぎてもいけないんですね。

杉長先生:そうなのかもしれないですね。本当はいろんな人と関われるようにしたほうがいんでしょうけど。最初は誰かひとりと心を開いて信頼関係を作ることが大事なんだけど、どこかで手を離して次のところに繋げるようにするのが本当は理想なのでしょうけど。そうすると、回復期のリハで3ヶ月打ち切りとかがある場合もあるけど、それはそれでもいいと思いますけどね。じゃないとリハビリしかやらない人生を送る人もいるんじゃないかって思うんですよ。だから、精神科でも期限を区切ったほうがいい気もするんですよね。

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インタビュアー:そういう考え方を初めて聞きました。ずっとひとりの患者さんを長く見たほうがいいんじゃないかっていう話しか聞いたことがなかったので。

杉長先生:それでも勉強にはなると思うけど、患者さんのためにはならないんじゃないかなと思いますけどね。入院から退院して、その後の在宅とかデイケアでリハビリをしてっていう全体性を知ることは大事だと思うんですけど、こっちは仕事だから辞めることもあるだろうし。

例えば、5年くらい担当してた患者さんが『あなたがいなきゃダメなんですよ』ってなった時に、違う新人が担当すると『前の人は〜してくれた』って言ってリハビリを拒否するようになってしまったらその患者さんのためにはならないじゃないですか。

それは新人が悪いんじゃなくて、その前に依存させちゃった人が悪いと思いますよ。それで『新人の腕がないから』とか言う人もいるでしょ?それは新人のせいじゃなくて依存させた方が悪いと思いますよ。

5年間の中で休みの日は新人に代わってもらうとか、『いついなくなるかわからないから自分でやれるようにならなきゃ』っていうメッセージを送らないと依存関係ができちゃうので。でも、『あなただけ』って言われるとセラピストは嬉しいんですよね。

セラピストも患者さんをみてて気持ちがいいし、患者さんもそのセラピストにみてもらってっていう、共依存になってしまうんですよ。この状態もいつかは終わりが来るから、その時はお互い辛くなるんじゃないですかね。

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インタビュアー:そうですね。最終的には自分のことを自分でできるように自立するってことですね。

杉長先生:最初はすごい人じゃないとダメでも、最終的にはへなちょこセラピストでもなんとかやってくれるようになって、最後は自分ひとりでやれるようになっていくのがいいですよね。組織で組む必要があるだろうから、セラピストが多くいて、休みの時は他のセラピストがつくっていうのはいいと思いますけどね。そういうのはよく考えられてると思いますよ。それが患者さんの教育にもなってるでしょうし。

インタビュアー:最後に今療法士を目指している学生に一言お願いします。

杉長先生:最初に自分がPT、OT、STになりたいって思った初心みたいなものを大事にしてほしいなと思いますね。最初はPTかっこいいなとかOTおもしろそうだなとか、人と関わりたいなとか、そういうの単純なところでスタートしてるんだけど、実際学校に入って小難しいことを言われたり、実習で『あそこがダメ、ここがダメ』とか言われると、『こういう風にしなきゃいけない』ってなって、最初に思ってたことを忘れちゃうんですよね。それはそれで置いといて、自分がどんなPT、OT、STになりたいと思ったかっていうのを大事にして、そこに近づけるように頑張ってもらいたいなと思います。

《バックナンバー》

第1回:NLPって知っていますか?

第2回:NLPをリハビリに

第3回:精神科に来る患者さんの心理

最終回:精神科における依存の問題

 

杉長 彬先生 経歴

リハビリコミュニケーション研究所代表。
リハビリ職専門コミュニケーショントレーナー。
作業療法士。
NLPマスタープラクティショナー。

2006年、作業療法士免許取得後、埼玉県内の精神科病院に就職。
現在は病院併設の高齢者のデイケアの責任者として勤務。
1日平均150人以上、職員数40人以上の大規模なデイケアにて
NLPを応用したマネジメントを実践している。
2009年リハビリ業界において、コミュニケーション能力の必要性を実感し、NLP(神経言語プログラミング)を学び始める。

2010年NLPマスタープラクティショナーの資格を取得後、NLPの考え方と自身の経験を活かして、リハビリコミュニケーション研究所を立ち上げ、
2011年よりリハビリ職に特化したコミュニケーションのセミナーを行っている。
またリハビリ職向けのコミュニケーションのコツを伝えるリハビリコミュニケーション研究所podcastを月2回配信している。
ホームページ:リハビリコミュニケーション研究所 
リハビリコミュニケーション研究所podcast

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