経口摂取が不可能または困難な患者に対し、経管からの栄養摂取を可能にする「胃瘻(胃ろう)」。
4月28日、内閣府から発表された資料にて、都道府県別の「胃瘻増設術」の件数及び、「胃瘻より流動食点滴注入、入院件数」が発表された。
引用元:医療提供状況の地域差 - 内閣府
どちらも一番多い県は沖縄県で、全国平均を100としたときの胃瘻増設術件数が185件、胃瘻より流動食点滴注入、入院件数が345件である。
胃瘻増設術件数に関しては、2番目が鳥取県で174件、3番目が大分県で166件である。
胃瘻より流動食点滴注入、入院件数に関しては、2番目が大分件で278件、3番目が鳥取県で232件であった。
2014年の診療報報酬改定で胃瘻(胃ろう)造設術の診療報酬が10070点から6070点と大きく引き下げられた。胃瘻(胃ろう)の乱造を防ぐことや、手術前の嚥下機能の評価・訓練を促すといった意図が伺える。
また、高齢者に対する胃瘻(胃ろう)に関しては賛成派と反対派に分かれ、社会問題としても取り上げられることがある。
その問題に関しては、SDM(shared decision making)が大切である。つまり、患者やご家族と医療者間のコミュニケーションが適切に行われ、胃瘻造設をするか否かの選択が行われたかどうかが重要だと考える。
ひとくくりに「胃瘻(胃ろう)はダメだ」と叫ぶのではなく、ケースバイケースで対応していくことが「高齢者の胃瘻(胃ろう)」問題を解決する鍵ではないか。
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