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【イラストで解説】ゼロから学ぶ子宮内膜症

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前回の記事では月経困難症とPMSについて図解で分かりやすく説明しました。

>>前回の記事【5分で理解する生理のこと-痛み編-】

 

今回は女性特有の疾患について解説していきたいと思います。
 

皆さんは「子宮内膜症」という病気を聞いたことがありますか?
 

女性患者さんに既往歴について聞くと、子宮内膜症という病名が出てくることが多いです。
 

子宮内膜症は前回解説した「器質性月経困難症」をもたらし、不妊の原因にもなります。

【5分で理解する生理のこと-痛み編-】より引用
 

この機会に是非、子宮内膜症について理解しましょう。

 

子宮内膜症とは?

子宮内膜症は、子宮内膜が、子宮の内側以外の場所にできてしまう病気です。

この子宮外内膜が、本来の子宮内膜と同じように、増殖や出血を繰り返してしまいます。

疼痛と不妊が二大症状と言われており、特に生理を重ねるごとに月経痛が増悪していくのが大きな特徴です。

好発年齢は20~40歳の性成熟期で、閉経とともに減少します。
 

子宮内膜症の好発部位は?

ダグラス窩(子宮後面と直腸の間のくぼみ)と卵巣に発生しやすいと言われています。

まれに骨盤外の臓器(肺、小腸など)にも発生することがあり、それらは「希少部位子宮内膜症」と呼ばれています。

 

子宮内膜症の3つの病態

①ダグラス窩閉塞

ダグラス窩に内膜症が発生し、それが癒着するため子宮と直腸がくっついたような状態になります。

MRIでは癒着により後屈した子宮が観察されます。
 

②卵巣チョコレート嚢胞

卵巣内に生じた子宮内膜により、血液が卵巣内に貯留し(チョコレート嚢胞)、生理のたびに卵巣が肥大していく病気。
 

③腹膜病変

腹膜内に子宮内膜様組織が徐々に成長していく病気。

 

\あなたはどっちに行く?/

子宮内膜症の主な症状は?

①生理痛(器質的月経困難症)

ダグラス窩閉塞や卵巣チョコレート嚢胞による腹腔内炎症がプロスタグランジンの過剰分泌をもたらし、子宮が過剰収縮することによるもの。

生理を重ねるごとに月経痛が増悪していく。

 

②慢性骨盤帯痛

骨盤内癒着による下腹部痛・腰痛。

 

③性交痛・排便痛

ダグラス窩での子宮—直腸間癒着によるもの。

 

④不妊

卵巣チョコレート嚢胞や腹膜病変によるもの。

 

子宮内膜症の原因は?

子宮内膜症の根本の原因はまだ判明していませんが、エストロゲン分泌量の増加や月経血量の増加が関連していると言われています。

妊娠中は黄体ホルモンの分泌量も上昇するため、エストロゲンによる子宮内膜の増殖を抑制してくれます。

そのため、妊娠や分娩回数が多い女性ほど子宮内膜症になりにくくなります。

 【エストロゲン】 

『5分で理解する生理のこと-メカニズム編-』でも登場した卵胞ホルモン。

子宮内膜を増殖・肥厚させ、受精卵を着床させるための土台を作成する。

女性器以外にも骨量維持や皮膚の美容面、精神面に働きがある。

 

子宮内膜症の治療

子宮内膜症の治療では以下の点がポイントになります。

✔妊娠希望の有無

✔疼痛、症状の程度

✔病変部位

✔年齢

これらを統合的に判断して以下のような治療が決定されます。
 

 【治療例】 
薬物療法➡低用量ピル、黄体ホルモン療法など
手術療法➡腹腔鏡下手術による癒着剥離、子宮全摘出術など


10人に1人が子宮内膜症!?

子宮内膜症は近年の女性のライフスタイルの変化により罹患率が増えてきており、生殖年齢の10人に1人が罹患していると言われています。

子宮内膜症は増加している背景には初経の低年齢化、晩婚化、少子化が影響していると言われています。

子宮内膜症は進行性のものなので、早期の対応が必要と言われています。

もし、生理の度に痛みが強くなったり、不妊に悩んでいる方がいれば早めに専門機関に診てもらってください。
 

グラフィック:西嶋 大樹(株式会社エバーウォーク)

 

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【福岡開催】2018年9月9日 ウーマンズヘルスケアフォーラム2018

セミナーのアイキャッチ

《概要》

日時:2018年9月9日(日) 9:00~17:00

年々、需要が増しているウーマンズヘルスケア。
過去数回に渡って行っているこのフォーラムも、お陰様で年々参加者が増えていき、その関心の高さが伺えます。
我々セラピストもこの流れに合わせて最新の情報や技術を獲得していく必要に迫られています。
今年は講師陣の数も増え、昨年よりも更に充実した内容となっております。
今回は理学療法に加え、ヨガセラピストや医師の方にも講演していただきます。
様々な領域の女性医学を学べる数少ないチャンスです。
前回参加された方も、更に満足できる内容となっていますので、ぜひ、ご参加ください!

『あの蒲田和芳先生の実技を受講できる!』

大会では通常の座学に加えて、リアラインコンセプトやISR(組織間リリース®)で有名な広島国際大学の蒲田先生による実技講座を別に受講することできます。
実技講演に参加したい方は本大会参加申し込みに加えて実技チケットを申し込むことで、別部屋で実施される特別セミナーを受講することができます。
実技を受けることによって、更に学習度を高めることができ、現場に活かしやすくなります。
定員に限りがあるので、申込みはお早めに!

●実技講義1【デバイスと運動療法による産後の仙腸関節障害のマネジメント】
●実技講義2【徒手療法と運動療法による産後の仙腸関節障害に関わる骨盤マルアライメントの治療】

【大会概要】
【日時】2018年9月9日(日) 9:00〜17:00(予定)
【会場】リファレンス駅東ビル(3 階 H-2 会議室) 
※JR博多駅 筑紫口より徒歩4分
※福岡市営地下鉄博多駅 筑紫口改札口より徒歩4分
【対象】療法士、看護師、助産師、その他セラピストなど
【参加料金】15,800円(税込み)※実技プランは別途料金が発生します。
【定員】204名

講師一覧

蒲田 和芳先生(広島国際大学教授、株式会社GLAB代表取締役)
漆川 沙弥香先生(Women’s Holistic Health Company代表)
仁平 美香先生(月経血コントロールヨガインストラクター)
愛下由香里先生(霧島市立医師会医療センター、Professional Education Team Lionk)
古賀 ひとみ先生(助産師、Lactea~ラクテア)
今村裕子先生(熊本大学医学部附属病院産婦人科医師)

 

参考文献

病気がみえる 〈vol.9〉 婦人科・乳腺外科 (編)医療情報科学研究所

 

 過去のウーマンズヘルスケアシリーズ 

【イラストで理解】5分で理解する生理痛のこと-痛み編-

【イラストで理解】5分で理解するPMS・月経困難症

【インフォグラフィックで理解する】骨盤の解剖学 - 梨状筋・内閉鎖筋 

【女性医学に必須】ウーマンズヘルスケアに重要な骨盤底筋群を図で理解しよう。

 

【イラストで解説】ゼロから学ぶ子宮内膜症

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