PT10年目が感じた経済面での限界【稲垣郁哉】

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新卒からクリニックに10年間勤務し、そこで感じた理学療法士業界や組織の限界。
その中で、見出した外来整形外科と個人事業主を兼任するという新しい働き方の可能性について発信します。

 

はじめまして、理学療法士の稲垣郁哉と申します。外来整形外科の理学療法士(以下,PT)として臨床を10年間経験し、自分で言うのもなんですが、臨床に関して向き合ってきた方だと思います。

 

 

入谷式足底板の理論を上肢に応用した考え方を考案し、講習会の講師や書籍の執筆にも携わらせていただいてきました。

 

 

そんな私が、今現在一番感じていることは、正直「不安」の一言です。これは臨床に対する不安ではなく、わかりやすく言うと10、20年後の年収です。(年収が全てではないことは理解しておりますが、絶対重要な要素ではあるはず)

 

 

厚生労働省が発表している2017年のPTの平均年収は404万。平均年齢が32.7歳と低いなどの理由もありますが、50代のピークで平均年収586万。病院や訪問看護ステーション、デイサービスなど勤務する場所により幅はあるものの、PTではせいぜい年収500~600万が限界ってこと。私自身はPTで年収1000万以上になるには大学教授になるか、起業して成功するくらいしか方法を知りません。他にやり方があるなら教えてほしいです(笑)

 

 

PTで名の知れた臨床家のほとんどが最終的には起業していることが多く、やっぱり有名になって起業するしか上に行く道がないのかと色々考えさせられます。

 

 

 

とにかく経済面ではシビアってことですね。

 

 

別に業界のせいだとか言うつもりはありません。

協会の方々も自分には出来ないことを頑張ってくれてるとは思いますし、診療報酬の問題上、しょうがないのでしょうから。

 

 

ただ、これが一般的に病院勤務してPTを10年間やってきて限界として感じた部分であるってことは事実です。

 

 

年功序列の壁。PTの存在意義に対する疑問

 

もう一つは組織での限界です。

 

 

PT業界に限らず、どこの組織にいてもそうなのかもしれませんが、やはり日本は年功序列だってことです。言い方が悪いかもしれませんが、結局のところ上が辞めなければ上に上がれません。

 

 

リハ科にトップがいる以上、どんなに頑張っても、その組織の中では、トップより上になれることなんてほとんどありません。一般企業の会社みたいに先輩を差し置いて、実力で課長に抜擢されるなんてことはないってことですね。

 

 

そして悲しいことに、頑張っていても、下がどんどん辞めれば、相対的にまた下に戻ってしまいます。(笑)

 

 

私は外来整形外科勤務なので規模は小さいですが、大きな総合病院などでも、また違う組織での限界があるのではないでしょうか。以前、総合病院に勤務する知り合いに、たぶん病院には単位数としか見られていないと話をされた時には、そのPTの存在意義ってなんなのかとショックを受けたことがあります。

 

 

つまり協会や組織には守られている反面、やはり限界はあるということ。当たり前の事なのかもしれないが、それが現実で、かつ色濃い業界にいるということ。やはり起業しなきゃいけないのか。自身も何度も考えました。

 

 

しかし、起業には臨床とはまた違うノウハウが必要だと思いますし、色々な事情により中々踏み切れない人の方が過半数だと思います。(特に家庭や子供を持った同世代のPTは共感してくれるはずです。)

 

 

自身もそうです。そこで出した答えが病院勤務兼個人事業主になることです。兼任の個人事業主となり自身で別の組織を1つ持つことにしました。

 

 

 

【目次】

第1回:PT10年目が感じた経済面での限界

第2回:病院勤務兼個人事業主へのジョブチェンジ

第3回:キャリアアップに臨床力は必要か?

第4回:自身が考える理学療法士×個人事業主

 

プロフィール

東馬込しば整形外科/Crawling Lab代表/東都リハビリテーション学院非常勤講師

 

【執筆】

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