こんにちは。先日「理学療法AIチャット"PT Exam Labo"」をリリースしました。こちらはLINEで理学療法検査を呟くとその感度と特異度を教えてくれるものになります。
この感度と特異度は、養成校の統計の授業で出てきているものの、臨床の中であまり意識せず、うる覚えの人も多いようです。
そこで、今回は検査の感度・特異度をおさらいしていきたいと思います。
ハッキリ言って、めちゃくちゃ大事です。これを理解するだけで検査結果の解釈が変わります。
そもそも、感度と特異度ってなんだっけ?
まず用語の定義のおさらいから。教科書的に言うと以下になります。
感度:疾患罹患者中の検査陽性者の割合
特異度:疾患非罹患者中の検査陰性者の割合
つまり、その検査が疾患の有無をどの程度正確に判定できるかを示す定量的な指標です。
下の図で言うと、感度が a / ( a + c )、特異度が d / ( b + d )になります。
つまり、感度が高ければ、その疾患の患者の大部分が陽性になることを意味しますし、特異度が高ければその疾患に罹患していないものの大部分が陰性になることを意味します。
また、感度が高ければ偽陰性者は少ないですし特異度が高ければ偽陽性者が少ないということが言えます。
TUGの感度と特異度について
TUGのカットオフ値13.5秒というのを例に「感度」・「特異度」を解説していこうと思います。
ある地域で、在住の高齢者に対してある研究を行った結果、以下のことが分かりました。
感度
転倒歴がある高齢者(15人)のうち、TUG検査で13.5秒以上の陽性になったのは13人で87%。これが感度です。
仮に、AさんがTUG検査をしたとき12秒であった場合、感度が87%と高い検査で陰性ということですから、転倒リスクが低いと解釈できます。
特異度
また、転倒歴のない高齢者(15人)のうち、TUG検査で13.4秒以内の陰性になったのは、13人で87%。これが特異度です。
仮に、BさんがTUG検査をしたとき16秒であった場合、特異度が87%と高い検査で陽性ということですから、転倒リスクが高いと解釈することができます。
今回は、学校では解説してくれない様な内容を解説させて頂きました。
検査のカットオフ値の意味や、感度・特異度の意味を知らないと検査自体を実施する意味は半減してしまいます。
ぜひ、「理学療法AIチャット"PT Exam Labo"」で調べてみてくださいね!
※感度・特異度以外に的中率や陽性尤度比・陰性尤度比など事前確率や事後確率なども含めて判断する事が必要でしょう。