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1. はじめに
退職は多くの人にとって、新しいキャリアの第一歩となります。しかし、退職時には多くの落とし穴が潜んでおり、これらに気をつけないと次のキャリアステップが思うように進まないことも。本記事では、退職時に犯しやすいミスとその対処法について考えていきます。
2. 退職時にやってしまいがちな間違い
2.1 適切な通知期間を守らない
エピソード1(理学療法士): 理学療法士のTさんは、次の職場として活躍したい都心の病院からのオファーを受け、新たなキャリアステップへの期待感から、現職を急に退職しました。しかし、退職の通知期間を守らなかったため、実際の退職日が契約上の通知期間と一致していないことが退職証明書に記載されていました。新しい病院からは退職証明書の提出を要請され、その際にTさんの退職日が正しくないことが発覚。このことから、新しい病院との信頼関係に亀裂が入る事態となりました。
アドバイス: 退職を考える際、特に新しい職場への移行がスムーズに進むためには、現職の契約内容をしっかり確認し、必要な通知期間を守ることが必要です。通知期間を遵守することで、前職との関係も円滑に保ち、新しい職場でのスタートも安心して迎えることができます。
注)新しい職場が元の職場に対して、参考人としての意見(雇用背景調査)を求める場面は少なくありません。ただし、その際の問合せ内容は、社会通念上の許容範囲を超えるものであってはなりません。また、退職証明書は、新しい職場での入職手続きの一環として、前職の勤務実績や退職理由を確認するために提出を求められることがあります。その他の調査方法は、①履歴書・職務経歴書の確認②参考人の問い合わせ*③退職証明書の提出要請④公式な背景調査⑤面接時の質問などがあります。
*日本における雇用背景調査に関して、法的な観点から考えると以下の点が重要となります:
個人情報の取扱い: 個人情報の保護に関する法律に基づき、元の職場が元従業員の情報を第三者(新しい職場など)に開示する際は、元従業員の同意が必要です。同意がない場合、元従業員の具体的な業務内容や業績、人間関係などの詳細情報を開示することは適切ではありません。
社会通念上の許容範囲: 一般的に、新しい職場が元の職場に対して参考人としての意見を求める場面は少なくありません。ただし、その際の問合せ内容は、社会通念上の許容範囲を超えるもの(私生活に関することや過度にプライバシーを侵害するような内容)であってはなりません。
偏見や差別の禁止: 元の職場が開示する情報は、公正かつ客観的であることが求められます。偏見に基づいた情報や、性別、国籍、宗教等に関する差別的な情報の提供は避けるべきです。
2.2 退職理由を曖昧にする or 不適切に表現する
エピソード2(作業療法士): 作業療法士のMさんは、前の職場の人間関係に悩んでおり、面接時にそのことをはっきりと伝えたところ、新しい職場でも人間関係を気にしてしまい、最初からストレスを感じる日々が続いた。退職理由をもう少しポジティブに伝えていれば、新しい職場でのスタートがスムーズだったかもしれないと後悔している。
アドバイス: 面接時や新しい職場での初対面の際には、前職での経験をポジティブに伝えるよう努めましょう。具体的には、自分が成長するための新しい環境を求めて転職を決意したなど、自らのキャリアアップを目指しての判断であると伝えると良いでしょう。よくある理由として「勉強できる職場だと思ったため」というものがありますが、これはポジティブな理由には該当しないケースが多いです。あくまでも職場は、あなたを雇用するメリットがあり、契約しています。勉強させるために就職するわけではないということを、肝に銘じましょう。
2.3 必要な手続きや書類の提出を怠る
エピソード3(言語聴覚士): 言語聴覚士のYさんは、新しい職場に入職する際、必要な書類や手続きが複数あり、どれを先にすれば良いのか迷ってしまった。その結果、いくつかの書類提出が遅れ、入職手続きが滞り、最初の月の給与が遅れてしまった。
アドバイス: 新しい職場への入職時には、必要な書類や手続きをリストアップし、期限ごとに整理しておくことが大切です。また、わからない点や不明点がある場合は、すぐに人事担当者や上司に相談することで、無駄なトラブルを防ぐことができます。
3. まとめ
転職はキャリアにおける大きなステップの一つです。そのため、転職活動や退職手続きは慎重に進めることが求められます。退職時のミスは後々のキャリアに大きな影響を及ぼす可能性があるため、本記事で挙げたポイントやエピソードを参考に、注意深く行動することが大切です。療法士としての経験やスキルを生かして、次のキャリアステップにスムーズに移行できるよう、前職との関係の円滑な終了や新職場でのスムーズなスタートを心掛けましょう。
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