Buenas noches!terapeuta!(スペイン語でこんばんは療法士のみなさん)44マグナム世代の江原です。本日は、3回に渡って書いてきた一次性慢性疼痛シリーズの最終回です。あえて骨盤内の痛みを例にしましたので、患者像がイメージしにくい!とピンとこなかった方も多かったと思います。
運動器理学療法士でしたら誰でも、「痛みがよくならずに対応に苦労した痛みが主訴の患者さん」の経験があると思います。全くよくならなかった患者さんの経験は私にも山ほどあります(こう書くと腕が無いだけだろ!というdisりが必ず来ます)。
一方でとてもひどい痛みだったけれど、地道に治療し生活を取り戻した方もいます。慢性疼痛の研究も増え、海外のガイドラインが整備されてきた現在、慢性疼痛を治りづらくしている心身の要因はわかってきています。
しかし、患者さんごとにどんな結果になるかはわかりません。私の話もガイドライン・エビデンスに基づくEBPTの一つのやり方、患者さんの例として参考にしただければと思います。
そして、運動療法は比較的安全であらゆる慢性疼痛に効果的なアプローチであることを忘れずに、ぜひ運動器理学療法の専門性を慢性疼痛のリハビリに生かしていただきたいと思います。
本日は、慢性会陰部痛鑑別ステップの4つ目、「脊柱の安定性」の続きからお話しします。
大事なのは3か月の赤ちゃんの脊柱
DNSアプローチは、神経筋促通法と発達段階的な運動療法で構成されたコンセプトです。その中でも着目する身体機能として
・正常な横隔膜機能による呼吸と腹腔内圧
・統合された3か月の乳児レベルの脊柱安定性
が挙げられます。言葉にすると理解するのが難しいので動画で説明してしまいましょう。DNSアプローチのことをちょっと知っている理学療法士のみなさんは、この運動をご覧になったことがあるかもしれません。
動画ではターンバグという名前を付けてしまっていますが、実はこの運動は3か月の乳児が行える身体運動を元にして作られています。3か月の赤ちゃんというと定頸、首座りの時期ですね。定頸は重力に耐えられる脊柱機能の第1歩が獲得される時期です。